あらゆる生活シーンでのアシスタントとして、チャットボットが活用され始めており、コマースの分野ではメッセージアプリ上でのサービス構築が重要となってくる。LINEは2016年1月28日時点で国内利用者数は日本人口の53.6%にあたる6800万人となっており、Twitterの4000万人、Facebookの2600万人と比較しても、日本人の生活に最も馴染みのあるメッセージアプリだといえる。LINEを活用して、トーク画面上で商品選択から注文・決済まで完結させる「メッセンジャーアプリ ECサービス」をトランスコスモスがいち早く開始する。
同サービスでは、フィードフォースの提供するソーシャルログインサービス「ソーシャルPLUS」のオプション機能を活用し、企業のECサイトとLINEアカウントを連携することで、顧客が日頃から使用しているLINEトーク画面上での商品選択から購入までが可能となる。また、ブレインパッドが提供するレコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」を組み込んでいるため、顧客の購入履歴、問い合わせ履歴を活用してのレコメンドや適切なタイミングでの定期購入品提示が可能となり、顧客の購買行動を促進する。さらには、米Reply,Inc.のbot構築用プラットフォーム「Reply.ai」とも連携し、顧客からの問い合わせに自動応対。必要に応じて有人対応への切り替えが可能となっている。
チャットボットを活用したAIアシスタントサービスでは、Googleの「Allo」がインフラ候補として有力だがMicrosoftやFacebookでも開発に力を入れているし、いくつもの有力なテック系スタートアップも開発に取り組んでいる。これほどチャットボットが流行っているのは、メッセージアプリが、生活に関わるあらゆるサービスのプラットフォームとなることへの期待からだ。中国ではすでに、メッセージアプリ「WeChat」活用による、映画のチケット購入、タクシーの呼び出し、病院の予約などが可能で、チャットボットがいくつものサービスのフックとして機能している。メッセージアプリにチャットボットが入り込むことで、顧客は友人とのメッセージやり取りの延長として、手軽に素早くサービスの予約や商品の購入を完結させることができる。トランスコスモスの「メッセンジャーアプリ ECサービス」は12月からの開始予定だが、メッセージアプリにチャットボットを搭載したサービスは今後もリリースが続くと予想される。(編集担当:久保田雄城)