今年も真新しいスーツを着たフレッシャーズが街で目立つ季節がやってきた。
3月16日に文部科学省・厚生労働省の共同調査として発表された、今春卒業予定の大学生の就職内定率は80.5%(2月1日現在)と、1996年の調査開始以降過去3番目に悪い数字だった。過去最悪の数字を出した昨年同期に比べると3.1ポイント上昇はしているものの、厚労省は「就職環境は依然として厳しい」としている。
そんな厳しい状況の中、見事採用を勝ち取り、今春より社会人として新しいステージに立つ新卒者達は、どんな思いで新しい環境に飛び込んでいくのだろうか。3月21日に都内で行われたシンポジウム「地域環境に学ぶ木造住宅の未来」会場に来ていた、今春就職する予定の人達にインタビューを敢行した。
協力してくれたのは住宅メーカー「アキュラホーム」に勤める予定のフレッシャーズ。創エネ住宅への関心の高さやスマートハウスの本格普及を目指すなど、何かと話題の多い住宅業界へと進むにあたり、彼らは今、いったいどのように考えているのだろうか。
住宅業界へ興味を持ったきっかけに関しては、「やりがいを感じた」「人のために働ける業界」「役に立つ仕事だと感じられる」など、ユーザーである住まい手の満足度を意識している傾向が強かった。また、この業界で今一番やりたいことは「心から喜んでもらえる家をつくる」「幸せを感じてもらう家を提供する」など、こちらも住まい手を意識した回答が多かった。「エコ住宅とは」という問いに関しては、シンポジウムの影響か「過去の優れた技術を活かし、省エネを実現する」「自然の力を利用する」「環境に配慮した住宅」など最先端の技術よりも、日本のものづくり的な考えに興味を示した。
東日本大震災の衝撃は彼らにも大きな影響を与えており、家を失った被災者達の映像などは、住まい手のことを一番に考えるという献身的な姿勢に通じているように感じられた。彼らの考え方は、今後の業界での仕事に必ず役に立つであろう。このようなしっかりとした考えをきちんと話せる、フレッシャーズの今後の活躍を大いに期待したい。