日産とDeNAが完全自動運転車の開発で提携 2020年には商業化へ

2017年01月14日 19:32

画.日産とDeNAか_完全自動運転車の開発て_提携 2020年には商業化へ

DeNAと日産自動車は、完全自動運転車の商業化に向けた連携を発表した。2017年中に国内に10か所ある国家戦略特区での実証実験を開始し、20年までの実用化、自動運転による交通サービスプラットフォームのビジネスモデルを検証する。

 DeNAと日産自動車は、完全自動運転車の商業化に向けた連携を発表した。2017年中に国内に10か所ある国家戦略特区での実証実験を開始し、20年までの実用化、自動運転による交通サービスプラットフォームのビジネスモデルを検証する。ITシステムの構築をDeNAが、試験車両の開発をルノー・日産アライアンスが担う。

 具体的な計画や実証実験の詳細は、まだ協議が必要とのことで、完全自動運転実現の目処は示されていないが、第1段階では「セレナ」を試験車両として高速道路、単一車線での自動運転を、第2段階では18年までに高速道路、複数レーンでの自動運転を、第3段階では20年までに市街地での自動運転を、第4段階での完全自動運転を計画している。

 自動運転に向けた取り組みに関して、DeNAは自動運転制御技術提供のZMPとの業務提携解消を発表している。両社は15年5月に合弁会社ロボットタクシーを設立、自動運転車両による旅客運送事業を確立する計画だった。提携解消の理由は、運営方針や完全自動運転実現に向けたロードマップの描き方の違いとのこと。今後も、ZMPは「高齢者や子供たち、障害を持つ方など、運転ができない方々に移動手段を提供したい」との思いで立ち上げたロボットタクシー構想実現に向けたく取り組みで進めていくことを発表している。一方DeNAも、「ビジネス規模の大きさ」に着目して参入した自動運転車ビジネスに対して、積極的な姿勢を維持していく。DeNAは今回の日産自動車との連携や、16年7月に始動したヤマト運輸との実験プロジェクト「ロボネコヤマト」による完全自動運転の実現に向けた取り組みを進めていく方針。日産自動車に関しても、他社とのさらなる協業を進める考えを示しており、NASAと協力した自動運転車の事故防止技術の開発も発表している。

 完全自動運転の商業化実現のためには自動車や通信、自動運転制御など各分野でノウハウを培った企業の連携が欠かせない。このため、パートナーの質を見極めたうえでの連携や再編などの動きは、今後も出てくると考えられる。(編集担当:久保田雄城)