トヨタ、米CESで、自動運転のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i」世界初公開

2017年01月05日 14:55

Toyota_i_Concept

トヨタは、米ネバダ州ラスベガスで開幕した「2017 International CES」において、自動運転車のコンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i」を出展した。ZEVでCO2排出ゼロ、ボディはコンパクトで全長×全幅×全高4430×1830×1475mmだ

 トヨタ自動車は、2017年1月5日に米国ネバダ州ラスベガスで開幕する世界最大の家電見本市「2017 International CES(Consumer Electronics Show)」で、コンセプトカー「TOYOTA Concept-愛i(コンセプト・アイ)」を発表した。「Concept-愛i」は、人工知能技術を搭載することで人とクルマがパートナーの関係となるモビリティの未来像を具現化したコンセプトカーである。4人乗りの乗用車で、パワートレーンなどについて詳細はないが、CO2排出ゼロのZEVだという。

 Concept-愛iは、人工知能により人を理解し、ともに成長するパートナーとして、人とクルマの新たな関係を創造するモデルだ。

 最新の人工知能技術を応用した「人を理解する」技術と自動運転技術を組み合わせる、ドライバーの感情、疲労度、覚醒状態に応じて、視覚や触覚などの五感に働きかけ自律神経を刺激し、より安全運転に誘導する。

 また、クルマの周辺状況に加えて、ドライバーの感情や自動運転への信頼度をモニターし、ドライバーが危険な状態に陥った際に、自動運転モードに切り替わり、クルマが自動で安全状態に導く。

 さらにドライバーのストレスを把握し、運転に不安を感じたドライバーには自動運転モードへの切り替えを提案するなど、“時に見守り、時には助け合う”、トヨタの自動運転の考え方「Mobility Teammate Concept」を具現化した車両だという。

 さらに、その時々のドライバーの感情と走行データを掛け合わせる「Emotion Map」により、個人の感情・嗜好性を集積しビッグデータとして活用。少し遠回りしてでも楽しめるドライブルートを提案するなど、他のドライバーのデータを共有することで、未知なる体験や安全に貢献する。

 車両デザインはトヨタの米国デザイン拠点Calty Design Research, Inc.が担当。人を理解するエージェントを長期にわたり共にいることで、人との距離が近づき、従来の人とクルマの関係を超えたパートナーのような関係の構築を目指す。利用者の感情や疲労度に合わせて車両を制御し、疲れがたまってきたら自動運転の利用を提案するといった使い方を想定している。

 一部機能を搭載した車両で、日本での公道実証実験を数年内に開始予定。プレスカンファレンスで、昨年設立したばかりのトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のギル・プラット最高経営責任者(CEO)は、「完全自動運転が可能な“レベル5”が各社の目標になっている。しかしながら、早期の実現は難しい」と述べ、その上で「開発途上で生まれる技術を使い、いかに事故を減らすかが重要だ」との見方を示した。(編集担当:吉田恒)