放送センター現地建て替えは大きな決断だった

2017年01月20日 08:25

 NHKは24日に任期満了で退任する籾井勝人会長が19日に行った定例記者会見の要旨を同日発表した。退任あいさつを兼ねたものになったが、籾井会長は放送センターを現地で建て替えることにしたことに「大きな経営決断だった」とし「将来の公共放送の礎を築くことができたと自負している」と語ったという。

 一方で、経営委員会が来年度予算審議で受信料の値下げ案を認めなかったことには「理解しがたいと思っている」と不満を隠していない。

 籾井会長は「現経営計画で放送センターの建て替え計画が具体化した段階で収支を見直すとしてきた約束と、基本的に守ってきた収支均衡予算の原則を覆すほどの根拠があったのかどうか」とするとともに「財政的に余裕があれば、視聴者に還元する。支払い率が上がれば受信料の値下げができる。そうした実感を視聴者のみなさんに得て頂く絶好の機会だっただけに、非常に残念だ」と語ったとしている。

 そのうえで、籾井会長は「皆さんから支持されるNHK,みなさんに見て頂けるNHK,世界に冠たる国際メディアへの進化を心から願う」と語り、退任あいさつとしたとしている。後任の会長には上田良一経営委員(三菱商事元副社長)が就任する。(編集担当:森高龍二)