韓国釜山の日本総領事館前歩道に慰安婦を象徴する少女像が韓国の市民団体により設置され、地元自治体が「地元自治体では対応できない」と設置を事実上、認め、韓国政府が撤去に動いていないことに抗議し、日本政府は長嶺安政駐韓大使、森本康敬在釜山総領事の一時帰国をはじめ、日韓スワップ取極の協議の中断や日韓ハイレベル経済協議の延期などを決めた。
これを受けて長嶺駐韓大使、森本釜山総領事が9日、一時帰国した。長嶺氏らは安倍晋三総理、岸田文雄外務大臣に状況を報告し、今後の対応を協議する。長嶺氏は少女像の設置について「極めて遺憾」と語った。
聯合ニュースは長嶺大使らの一時帰国の今後について「2012年当時、李明博(イ・ミョンバク)大統領が独島(竹島)を訪問した際と2005年に日本の独島(竹島)領有権主張をめぐる対立激化で、それぞれ帰国した武藤正敏大使と高野紀元大使はいずれも12日後に韓国へ戻った」と過去の例をあげ、一時帰国の期間を予想したうえで「ただ、両国の国民感情を刺激する言動がある場合、駐韓日本大使の不在が長期化する可能性も排除できない」とした。
聯合ニュースは、韓国最大野党「共に民主党」の禹相虎(ウ・サンホ)院内代表が9日の党幹部会議で、安倍首相が8日のNHK番組で旧日本軍の慰安婦問題をめぐる合意により10億円を拠出したことなどを挙げ『韓国側にしっかりと誠意を示してもらわないといけない』と発言したことについて『予備費でも編成するので10億円を返そう』と呼びかけたと報じた。一方、慰安婦の少女像で日韓関係が悪化することを懸念する声もきかれている。(編集担当:森高龍二)