高カカオチョコレートが脳を若返らせる

2017年01月22日 21:53

画.誤った俗説を半数以上が信じている 「健康リテラシー」に関する調査より

昨今、日本だけではなく世界的にもうつ病や認知症、脳卒中などの脳・精神疾患患者数が大きな社会的・経済的問題になっている。

 明治は、高カカオチョコレート(カカオ分70%以上のチョコレート)による脳の健康効果に関する実証トライアルの結果、高カカオチョコレートの摂取が大脳皮質の量を増加させ、学習機能を高める(脳の若返り)可能性があることを確認した。これは、内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)山川プログラムとともに“チョコレートによる脳の健康効果解明への取り組み”として実施されたトライアルの結果である。

 45~68歳の成人男女30人(男性15人、女性15人)に、高カカオチョコレート(カカオ分70%以上のチョコレート)を4週間摂取してもらい、その前後の脳の健康度を「大脳皮質の量」「神経線維の質」という2つの観点から評価するというもの。そして、同実証トライアルの結果、高カカオチョコレートに大脳皮質の量を増やし、学習機能を高める(脳の若返り)可能性があることを確認した。

 高カカオチョコレート摂取前後での介入効果の検定としてGM-BHQ(Gray Matter-BHQ・大脳皮質の量)を測定したところ、摂取前に比べて、摂取後の方が有意にGM-BHQの値が増加した。高カカオチョコレート摂取前の平均値が94.7ポイントでしたが、4週間摂取後には95.8ポイントに増加した。(平均で1.1ポイントの増加。)

 なお、GM-BHQの値は、平均が100になるように設定していて、大脳皮質の量を意味し、この値が増加することで、新しいことが学べる能力が高まる可能性が期待されるという。また、過去の研究から認知症によって大脳皮質の量が減少することなどもいくつか報告されていることから、今後これらの関係も調べることができると考えられるとしている。

 ImPACT山川プログラムは、内閣府が、日本を「世界で最もイノベーションに適した国」にするという目的のもと、国家重点プログラムとして取り組んでいる。公募で選出された16名のプログラム・マネージャー(PM)による、さまざまなジャンルの研究開発がある。山川義徳プログラム・マネージャーが統括する「ImPACT山川プログラム」(ImPACT山川プログラム「脳情報の可視化と制御による活力溢れる生活の実現」)も、16あるImPACTプログラムのひとつとして推進されている。

 昨今、日本だけではなく世界的にもうつ病や認知症、脳卒中などの脳・精神疾患患者数が大きな社会的・経済的問題になっている。これに対し、「ImPACT山川プログラム」では、世界で進む脳・精神疾患の治療研究や脳の機能代償(ではなく、脳の健康維持・増進を目的とした研究を行ってきた。中でも、「脳の健康」を考える際に課題になっていた「脳の健康指標」づくりを推進してきた。こうした取り組みの一環として、国際標準化を推進している「脳の健康指標」の検証も兼ねた、開かれた科学としてのBHQチャレンジをさまざまな企業と行ってきた。その中で、株式会社 明治との共同研究として高カカオチョコレートによる脳の健康効果に関する実証トライアルを行った。(編集担当:慶尾六郎)