トラックやバスを製造する大手自動車メーカーの日野自動車といすゞ自動車が13日、共同で国産初のハイブリッド連接バスの共同開発に合意したことを発表した。2019年の市場投入を目標としている。
連接バスは列車のように2つの車両を連結させたものであり、従来のバスと比較して大量輸送を効率的に行うことが可能となる。国内の道路交通法に合致した車両サイズで、更に地球環境にも配慮したハイブリッドエンジンを採用。生産は両社が合弁で設立したジェイ・バス株式会社で行われる。
BRT(バス高速輸送システム)を取り入れる自治体が増える中で、こうした連接バスのニーズは高まっていると言える。しかし車両のサイズや、運行路線が限定されるなど規制が多く、諸外国と比較するとまだまだ導入事例は少ない。国内では千葉県千葉市や神奈川県藤沢市、岐阜県岐阜市など限られた地域で運行されているのが実情だ。国産の車両が少ないのも要因だろう。ほとんどのバス会社がメルセデス・ベンツやボルボ製など海外製のバスを輸入して使っている。
例えば岐阜市ではメルセデス・ベンツ製の2連接バスを岐阜駅-岐阜大学・病院間の路線に投入。130名もの乗客を乗せることができ、「清流ライナー」という名前で運行している。同線は大学生や病院に通う患者の利用が多く、特に朝の通学時間帯は混雑するため、多くの乗客を一度に輸送でき、足として重宝されている。藤沢市でも同様に湘南台駅-慶応大学間に、滋賀県大津市では南草津駅-立命館大学間など、駅と大学を結ぶスクールバスとして活用されているケースが多い。
地球環境保護や高齢者ドライバーによる交通事故の増加などに対してこのBRTの普及は効果的な政策であると考えられる。現在広島市や宇都宮市、名古屋市でもBRTの導入が検討されている。今回日野といすゞが作る連接ハイブリットバスがBRTの普及の大きなきっかけになることが期待される。(編集担当:久保田雄城)