先日発表された、富士経済の健康美容食品(H・Bフーズ)国内市場調査によると、2011年の市場は前年比0.7%減の1兆7744億円が見込まれるという。健康ブームと騒がれてはいるが、同調査で機能志向食品と分類される健康食品やサプリメントは前年比2%程度の成長があったものの、健康志向食品と分類される明らか食品とドリンク類が低迷しているという。
同調査では、機能志向食品は伸長の要因として通信販売の拡大が挙げている。機能志向食品は継続的な使用を前提としており、継続購入に繋げやすい通信販売の台頭が相乗効果となって市場拡大に繋がっているという。利用の効果が直接的かつ効果的に訴えることが出来る通信販売は、2011年には量販店を上回ってトップの販売チャネルとなる見通しであるとのこと。
この通信販売チャネルの拡大を裏付けるように、ディノスが4月1日から発売開始すると発表したダイエット時の栄養補助成分を配合したサプリメント「ファイナルスリムEX」は、通販カタログとディノスオンラインショップという通信販売のみでの発売である。また、ネットプライスの子会社であるモノセンスがモデルの道端アンジェリカと共同開発した、美容健康補助食品「植物酵素ゼリー」の販売も、4月2日からの店頭による全国販売に先駆けてインターネット通販サイト「ネットプライス」にて3月13日から販売される。同様に、ファンケルが3月からの新発売を発表している、長寿遺伝子に着目したサプリメント「レスベラトロール」も3月20日からの直営店舗等での販売に先駆けて、インターネットでの通信販売を3月1日から開始。さらには、店頭での通販チャネルも十分に持つカルピスも、自社の通販チャネルである「カルピス健康友の会」限定で、「健彩生活『ビオマイン』」という新バイオティクス「C-3102株」を配合した通販専用サプリメントを販売しており、ミツバチ産品を中心とした健康食品や化粧品などを販売する山田養蜂場に至っては、岡山に直営1号店を開店した2006年より以前、1960年から通信販売を開始していたなど、各社通信販売に注目した展開が活発に行われている
また、美容サプリメント「ノエビア インナーブラン」の発売を発表した化粧品メーカーのノエビアなども通信販売サイトを持つなど、今や健康美容食品を扱う会社にとって、通信販売チャネルを持たないことは考えられない状況にあると言えるであろう。消費者が効果を実際に体感していると感じさせるテレビやラジオなどでの訴求は、殊、美容関連効果も期待できる製品とっては、今後も必要不可欠であろう。また、スマートフォンやタブレット端末の普及により、よりインターネットでの広告効果は大きくなり、インターネット通販の市場は益々大きくなると考えられる。さらに、一部商品は、インターネットでの価格の方が安価な場合もあり、その傾向は益々進むであろう。もしかすると近い将来、店頭での販売は商品のサンプル提示の意味合いしか持たず、店頭で見て通信販売で買うと言ったシステムが主流となるかもしれない。