国連・産・学の3者で推進する巨大自然災害の被害低減を目指した共同プロジェクト

2017年03月11日 10:55

 近年、世界各国では巨大な自然災害が頻発し、開発途上国では持続可能な開発や経済・社会発展を妨げる大きな要因になっている。特に都市部では人口の集中により被害リスクがさらに増大する恐れがあり、リスクの低減が求められている。2015年3月に開催された第3回国連防災世界会議では「仙台防災枠組」が採択され、災害による死亡者数、被災者数、直接的な経済損失、重要なインフラへの被害を削減するなど、2030年に向けた7つのターゲットの達成を目指して各国が取り組むことが合意された。

 これらの目標の進捗状況をモニタリングし、達成状況を評価するためには、各国で基本となる災害被害統計データを整備する必要がある。今回、国連開発計画(UNDP)、国立大学法人 東北大学災害科学国際研究所、富士通<6702>は、世界の巨大自然災害の被害低減を目指す「災害統計グローバルセンター」において、新たに設置される「グローバルデータベース(GDB)」の構築、運営に関して、パートナーシップを締結した。

 UNDPは開発途上国における災害データの収集、情報開示、政策立案を指導する。東北大学災害研は収集される各国の災害統計データを「災害統計グローバルセンター(GCDS)に蓄積、データ解析を行い、UNDP を通じて各国に防災の助言を行う。富士通はICTを活用し、GCDSを中心に展開される開発途上国の防災能力の向上を支援。「仙台防災枠組」の目標達成に向け、三者のパートナーシップで取り組む。

 富士通はこのパートナーシップにおいて、GCDSが構築するグローバルデータベース(GDB)に「FUJITSUCloud Service K5」を提供し災害統計データ蓄積の基盤を整備します。更に最大約3億円相当のデータベース設計や構築に関わる作業を無償で支援する。また、UNDPと東北大学災害研が共同で実施する開発途上国の防災行政能力の向上活動に対して、今後3年間で約4,700万円の寄付を行い、活動を支援する。2019年までにアジアの開発途上国6カ国の災害被害統計データベースを整備していく他、2020年以降には、アジア太平洋地域の 20カ国へ展開し、世界の巨大自然災害による被害削減に貢献していく方針だ。(編集担当:慶尾六郎)。