弾道ミサイル攻撃への防衛関連経費(1706億円)や国連PKOや難民支援などの1685億円、災害復旧などの対策費1955億円を含む総額6225億円の第3次補正予算案が27日、自公など賛成多数で衆院を通過した。補正予算案は30日、31日に参院予算委員会で審議、政府・与党は今月中に成立させたい意向だ。
自民党の二階俊博幹事長は記者会見で記者団から、野党との対決姿勢が出てきているように見えるが、と聞かれ「特に理由があって、なるほどという場合、それからそれだけ時間を費やすことがやむを得ないという場合があるが、できるだけ早く補正予算を、そして本予算も通す。それが現下の景気対策にとってもっとも有効な手段なので、当初から早期にやりたいということを申し上げている」と補正予算、本予算の成立を急ぐ考えを強調した。
一方、野党の社会民主党・又市征治幹事長は27日、「弾道ミサイル防衛関連経費の1706億円は当初予算で計上すべき経費を政権の『便利な財布』であるかのように補正予算で措置」するもので「補正予算に求められる緊要性の原則を満たしているとはいえない」と問題視。
「防衛費を聖域扱いし、当初予算だけでなく、補正予算においても膨張させていくことは、断じて容認できない」との談話を発表した。
また、補正予算の財源についても「赤字国債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことは、私たちは行いませんと(野党に対し)レッテル貼りしてきたが、本補正予算案は税収を1兆7440億円下方修正するとともに、減収分を補うため赤字国債(特例公債)を追加発行することになった。この間の法人税減税などと相まって、税収増というアベノミクスの果実自体がなくなったことは明らかだ」と提起。参院予算委員会で追及する構え。(編集担当:森高龍二)