NYダウは44ドル安と続落。NASDAQは5営業日ぶりの下落、S&P500は4営業日ぶりの下落。OPECの月報は全体では減産だったがサウジアラビアが自己申告で若干増産になり、減産目標には影響しない程度なのに「増産」の言葉が一人歩きしWTI原油先物価格は7営業日続落。47ドル台は11月以来の水準。エネルギーセクターの下落に加え、NYなど東海岸は春の大雪に見舞われ、欠航が相次ぐ空運セクターも下がってダウを軟調にした。金先物は反落。アメリカの生産者物価指数(PPI)は前月比+0.3%。コア指数も同じく+0.3%で市場予測を上回った。前年同月比は+2.2%。NFIB中小企業楽観指数は0.6ポイント下落したが、それでも高水準。
為替のドル円はロンドン時間に115円台まで円安が進んだが、NY時間は逆に114円台半ばまで円高に振れ、朝方は114円台後半。ユーロ円は121円台後半。大阪先物夜間取引終値は19400円、CME先物清算値は19430円で、3月期の権利配当落ち分を足すと19530~19560円。
日経平均始値は80円安の19528円。高値は2時39分の19581円。安値は9時24分の19503円。終値は32円安の19577円。日銀の金融政策決定会合が始まった。日経平均はTOPIXとともにマイナスで始まる。序盤は下落するが、19500円台はかろうじて守って9時台のうちに50円ほど反発。10時台はマイナス圏の19530~19550円の狭いレンジで動きが乏しくなる。為替のドル円は114円80銭前後で動かない。
11時に不動産経済研究所から2月の首都圏・近畿圏マンション市場動向が発表された。首都圏の新築マンション発売戸数は前年同月比+3.3%で2ヵ月ぶりの増加。月間契約率は-4.5ポイントで68.4%。近畿圏の新築マンション発売戸数は-15.0%で8ヵ月ぶりのマイナス。月間契約率は+2.5ポイントの74.5%。契約率は「西高東低」が続いている。11時台には19550円近辺へ少し水準を上げ、前引け。前場の値幅は52円。57円安でTOPIXも-6なので、前日14日と比べれば日銀買いが入る可能性は高くなった。
春闘の集中回答日だが、ベアの回答は渋いものばかり。「トランプ政権は何をするかわからない」が、ていよく言い訳に使われている。正午頃にドル円が少しだけ円安に振れたので、後場は19500円台後半へ下げ幅を圧縮し高値を取って再開するが、為替が再び円高方向に振れると1時台の日経平均は19500円台半ばまで後退する。1時30分に経済産業省から1月の鉱工業生産指数確報値が発表された。前月比-0.4%の100.2だが、速報値の-0.8%の99.8から上方修正された。製造工業稼働率指数は+0.1%の101.7。生産能力指数は-0.1%の94.4。19550円前後の小動きは2時台前半まで続いたが、後半には再び下げ幅を18円まで圧縮し高値更新。しかしそれでも前日同様、薄商いのエネルギー不足でプラスに手が届きそうで、届かない。オランダ総選挙待ちに、利上げが確実視されるFOMC後の記者会見でイエレンFRB議長が何を言うか待ち。終盤は上昇の頭を抑えられ19500円台後半のまま終了した。日中値幅は78円。日銀のETF買い724億円が入った。今後もし、日銀会合で金融緩和政策の「出口」に向けて修正が始まるなら、量的緩和のETF買入枠年間6兆円の縮小は第1弾有力候補。
海外の原発事業から撤退し、前日の記者会見で綱川智社長が「社会インフラ事業中心の『新生東芝』に生まれ変わる」と見得を切った東芝は、監理銘柄入りして上場廃止の懸念が高まり下落幅は一時13%を超え、終値は12.23%安。売り一方で売買高、売買代金トップ。値下がり率もトップだがストップ安にはならなかった。
新規IPOが1件。大阪市が本社で、EC運営企業の物流センターの業務を請け負うファイズ<9325>が東証マザーズに新規上場。大引けまでに初値がつかず、公開価格1250円の2.3倍の2875円の買い気配で終了した。3月の「春のIPOまつり」では初めての初値翌営業日持ち越しで、白星は確実。
日経平均終値は32.12円安の19577.38円、TOPIX終値は-3.59の1571.31。売買高は16億株、売買代金は1兆6771億円。2月21日に次ぐ今年2番目の薄商い。値上がり銘柄数420に対し値下がり銘柄数は1461で、3.47倍もある。プラスは海運、保険、その他製品、輸送用機器、小売、その他金融、銀行、食料品の8業種。マイナスは25業種で、その下位は石油・石炭、電気・ガス、鉱業、鉄鋼、水産・農林、パルプ・紙など。全人代(全国人民代表大会)がこの日で閉幕した中国の上海総合指数は0.07%高だった。
16日の日経平均は3営業日ぶりの反発。英国の11月~1月の失業率は4.7%で2005年以来の低水準。オランダの総選挙は投票中でFOMCの結果もまだだったが、ヨーロッパの株価は原油先物価格の8営業日ぶりの反発を好感し、揃って上昇した。