20日の日経平均は3営業日ぶりの小幅反発。前週末17日のヨーロッパ市場はまちまち。英国の1月の小売売上高指数は前月比-0.3%で予想外のマイナス。インフレで市民の間に買い控えが起きている。しかしロンドンFTSE100指数はプラス。フランス大統領選挙はルペン候補にも疑惑が浮上したが、それよりも左派の候補一本化の動きを嫌気してユーロが売られ、フランス、ドイツの株価はマイナスだった。
NYダウは4.28ドル高で7営業日続伸。NASDAQ、S&P500も小幅反発した。CB景気先行総合指数は前月比+0.6%の125.5と悪くなかったが、トランプ大統領の就任後初の単独記者会見で減税や財政出動への言及がなく、失望を買ってエネルギーセクターを中心にザラ場はずっとマイナス。20日が「プレジデンツ・デー」の祝日休場で、6連騰したため3連休前に利益確定売りかと思いきや、取引終了直前にわざとらしくプラスに滑り込み7営業日連続史上最高値の記録の更新を3連休明けまで持ち越した。しかしアメリカの長期金利が低下しNY時間の為替レートはドル円が112円台後半、ユーロ円が119円台後半と円高が進行し、大阪夜間取引終値は19140円。CME先物清算値は19130円と安かった。20日朝方の為替レートもドル円112円台後半、ユーロ円119円台後半のまま。
日経平均始値は73円安の19161円。高値は0時35分の19274円。安値は9時5分の19115円。終値は16円高の19251円。取引開始前に1月の貿易統計速報値が発表された。貿易収支は1兆869億円の赤字で5ヵ月ぶりの貿易赤字。市場予測より赤字幅が大きい。原油など資源価格の上昇と中国の春節休暇が要因。トランプ政権が問題視するアメリカ向け輸出額は6.6%減少していた。
日経平均もTOPIXもマイナスで始まり、序盤の日経平均は25日移動平均19116円より1円安いだけの安値19115円で下げ止まり反発。「雲」の上限19135円を下回って雲の中に落ちていたのは9時台の前半だけで、ともに下値の防衛力を発揮した。9時台後半からは19100円台後半で安定する。東京時間のドル円レートが円安方向に振れ113円に接近していることもあり、株価はマイナス圏でも底堅い。11時前から平均株価上昇が始まり、113円台に乗せた為替のドル円を追い風に直前に19200円に乗せ前引け。27円安、TOPIXが-2では、2月から買い入れの実施基準が変わった可能性もあり日銀のETF買いが入るかどうかは微妙。
東京に「春二番」の強風が吹きだす中、為替の円安傾向はドル円113円台、ユーロ円120円台に乗せてなお続く。後場の日経平均はプラスに転換し高値を取って再開する。円安は全てを癒す。しかし19300円には届かず、19200円台後半の小幅高止まり。そのうちに為替レートが折り返して円高方向に少し進んだため、1時台の日経平均はプラス幅を徐々に圧縮。それでもマイナスには瞬間タッチするだけでの「タッチ・アンド・ゴー」。2時台には徐々に水準を上げていく。ドル円は一時113円を割ったが、すぐ113円台に復帰。終盤も19200円台半ばのプラス圏を維持しながら終了した。日銀のETF買い入れ704億円は3営業日連続で入っていた。もう、裏切り者とかダークサイドに堕ちたとか、言われたくない? 一方、ジャスダック平均が7営業日続伸になるなど新興市場は快調。
ソフトバンクG<9984>は「スプリント株を部分売却」という報道があり買われ3.18%高。「日経平均寄与度御三家」なので日経平均を下支えし、後場プラスにした。売却先はTモバイルUSの親会社ドイツテレコムという話で、さまざまな憶測を呼んでいる。ヘアスプレー缶が爆発した埼玉県の流通センターの火事は強風にあおられ鎮火せず、周辺住民は避難し建物崩壊の恐れまで出たがアスクル<2678>は0.15%安にとどまった。佐川急便の持株会社SGHDが東証1部上場を目指すというニュースが流れたが、宅配便大手の株価はそれほど動揺せずクロネコのヤマトHD<9064>は0.09%高、ペリカンの日本通運<9062>は0.52%安、カンガルーのセイノーHD<9076>は0.56%高、ゆうパックの日本郵政<6178>は0.14%安だった。
2時30分すぎ、関西アーバン銀行<8545>、みなと銀行<8543>、近畿大阪銀行(非上場)の3行が経営統合するという第一報が飛び出した。統合すれば近畿地方のトップ地銀になる。東証は直後、関西アーバン銀行とみなと銀行の株式の売買停止措置をとった。終値は関西アーバン銀行は4.85%高、みなと銀行は10.32%高で、ともに昨年来高値を更新。三井住友銀行を通じてその2行の親会社にあたる三井住友FG<8316>は0.31%高、近畿大阪銀行の親会社にあたるりそなHD<8308>は0.24%安で、ともに反応薄だった。
日経平均終値は16.46円高の19251.08円、TOPIX終値は+2.47の1547.01。売買高は14億株で1月16日以来の薄商い。売買代金は1兆7127億円で今年最低。値上がり銘柄数は1057、値下がり銘柄数は783。プラスは19業種で、その上位はゴム製品、情報・通信、空運、海運、電気・ガス、地銀再編のニュースが飛び出した銀行など。ガラス・土石1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは13業種で、その下位は石油・石炭、鉱業、繊維、その他製品、水産・農林、医薬品など。上海総合指数は1.18%高と買われた。
21日の日経平均は大幅続伸。ユーロ圏財務相会合はギリシャの支援交渉を早急に再開することで合意。忘れた頃のギリシャ債務リスク浮上。アメリカのペンス副大統領がブリュッセルでEUのトゥスク大統領と会談しEUとの協力関係維持を強調した。ヨーロッパはドイツは上昇、英仏は下落。フランス大統領選挙の左派の候補一本化はまぼろしに終わり、ユーロは値を戻した。NY市場は「プレジデンツ・デー」の祝日で休場。トランプ政権の補佐官人事がやっと固まり、フリン氏に代わる安全保障担当は現役軍人のマクマスター陸軍中将。朝方の為替レートはドル円が113円台前半、ユーロ円が120円台前半。大阪夜間取引終値は19270円。CMEは休場。
日経平均始値は16円高の19267円。高値は2時49分の19395円。安値は開始直後の9時0分の19261円。終値は130円高の19381円。日経平均もTOPIXも小幅高で開始。序盤はプラス圏、19300円付近で頭を抑えられ振幅がだんだん小さくなる「上辺がフラットな三角もちあい」。チャートパターン分析の本では「上放れする」と書いてあるが、その通りに10時台に30円ほど上放れする。10時台後半はさらに上伸し19300円台後半へ。ドル円は113円台半ばまで円安進行。フィラデルフィア連銀ハーカー総裁が講演して「3月利上げの可能性を排除しない」と言ったらしく、ドル買いの流れ続く。「フィラデルフィア・エクスペリメント」再び。11時台にかけては少し落ち着き前引けは88円高。日銀買いはお休み濃厚。東京は前日の風が激しすぎる「春二番」の反動で寒の戻りが来ていたが、東京市場には春の気配が漂う。
為替の円安傾向はなおも続き、後場の日経平均は高値を取って再開し19400円にあと約8円まで迫る。しかしタッチできないまま19400円手前で横ばい。1時すぎにはあと約5円まで迫るが、高値圏でもどかしい値動き。ドル円も113円台後半で動きが止まり、少しだけ逆回転。それでも日経平均は19300円台後半の水準を保ち、終盤もう一度、高値を取る。結局、19400円に届かないまま大引け。TOPIXは終値で1550台を回復した。パッとしない東証1部を横目に、東証2部指数は5営業日続伸、日経ジャスダック平均は8営業日続伸。東証マザーズ指数も続伸している。
小売業の1月の売上データが次々発表された。前日大引け後発表の全国コンビニエンスストア売上高速報値は+0.1%で4ヵ月連続プラス。客数は-1.1%で11ヵ月連続マイナス。平均客単価は+1.2%だった。この日発表された全国スーパー売上高は既存店売上高-1.6%で2ヵ月連続マイナス。食料品は横ばいだが衣料、日用品、家電がふるわない。全国食品スーパー売上高速報値は既存店売上高+0.3%で4ヵ月連続プラス。生鮮3部門は+1.1%で、青果はプラス、水産、畜産がマイナス。全国百貨店売上高は、既存店売上高-1.2%で11ヵ月連続マイナスと深刻。衣料も家庭用品も悪いが雑貨は増。東京地区に限ると-1.5%で6ヵ月連続のマイナス。「爆買い」の栄光の日々は、すでに遠のいた。