6日の日経平均は続伸。前週末3日に発表されたアメリカの1月の雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びは22.7万人で市場予測の17万人を上回り、完全失業率は4.8%で市場予測の4.7%よりも悪かった。平均時給は前月比+0.1%で市場予測の+0.3%より上昇が鈍い。3日のヨーロッパ市場は揃って上昇。ユーロ圏の小売売上高は前月比-0.3%でプラスの市場予測に反しマイナスで2ヵ月連続低下。雇用統計以外のアメリカの指標は、ISM非製造業景気指数は56.5で前月比-0.1ポイント、12月の製造業新規受注は+1.3%で2年ぶりの高水準だが、どちらも市場予測を下回った。
NY市場は雇用統計をいい方に解釈し、ドット・フランク法を見直しグラス・スティーガル法を復活させて金融規制を新しくするような大統領令が出たことで金融セクターが買われ、ダウ終値は186ドル高で5営業日ぶりに2万ドルの大台回復。NASDAQは史上最高値更新。原油先物価格は小幅高で終値53ドル台、金先物価格は小幅続伸。ロンドン時間はドル円113円台まで円安が進んだ為替のドル円は雇用統計の発表でNY時間はドル安円高に反転し、ドル円112円台後半、ユーロ円121円台半ば。大阪夜間取引終値は19090円。CME先物清算値は19050円。6日朝方の為替レートはドル円112円台前半、ユーロ円121円台前半で円高方向に振れた。
日経平均始値は151円高の19069円。高値は9時3分の19075円。安値は0時53分の18899円。終値は58円高の18976円。9時に毎月勤労統計速報値が発表された。12月の現金給与総額は前年同月比+0.1%、実質賃金は-0.4%で1年ぶりのマイナス。所定内給与は+0.5%で6ヵ月連続のプラス、所定外給与は-1.9%で7ヵ月連続マイナス。厚生労働省は「賃金は基調として緩やかに増加している」とした。2016年通年の実質賃金は前年比+0.7%で5年ぶりのプラス。現金給与総額は+0.5%で3年連続プラス。現金給与総額は月平均31万5372円で、所定内給与は+0.2%、所定外給与は-0.6%。夏のボーナスが増え、特別に支払われた給与が+2.0%と大きく伸びていた。
アメリカの雇用統計を通過した日経平均は19000円台を回復して始まる。TOPIXもプラス。しかし9時台は為替のドル円が112円台後半から前半へ円高が進行したため、ズルズル100円を超える下落を喫し、かろうじてプラス。10時台には2円高まで下げたがギリギリでプラス圏を維持。春節明けの3日マイナスだった上海市場は、中国経済本格再起動の今週は反発スタート。1月の財新の中国非製造業PMIは53.1で市場予測を0.5ポイント下回り、上海総合指数も一時マイナスになったがすぐプラスに戻った。中国リスクはまず心配なし。日経平均はドル円の円安方向への反転で小幅プラス圏内で値を戻すが、19000円は取り戻せない。11時台も18900円台後半のまま推移し55円高で前引け。前週は条件を満たしても入らず「裏切り者」の汚名を着た日もあった日銀のETF買いは、この株価水準では入らない。
「NFCが勝てば株価上昇」のアノマリーがある中、AFCのペイトリオッツが大逆転勝ちし「スーパーボウル」の勝負がついた昼休みからドル安円高が進み、後場は前引けよりも安く再開した後、安値を更新してマイナスに落ちる。「ほぼ日刊イトイ新聞」のほぼ日(糸井重里社長)が3月にIPOするニュースも〃嫌気〃された? もっとも1時台にはプラス圏に戻り、19000円に届かなくても安定。2時台になると18950円を超える水準まで上がり、時々19000円に接近する。終盤も波乱なくそのまま大引けになった。
日経平均終値は58.51円高の18976.71円、TOPIX終値は+5.43の1520.42。売買高は17億株で薄商い。売買代金は2兆1807億円。値上がり銘柄数は1132、値下がり銘柄数は728。プラスは23業種で、その上位は水産・農林、金属製品、銀行、情報・通信、海運、ガラス・土石など。パルプ・紙1業種がプラスマイナスゼロ。マイナスは9業種で、その下位はその他製品、繊維、食料品、陸運、その他金融、非鉄金属など。上海総合指数は0.54%高だった。
7日の日経平均は3営業日ぶり反落。ECB(欧州中央銀行)のドラギ総裁がブリュッセルの欧州議会で議会証言を行い、「ドイツは為替操作をしている」という前週のナバロ発言に反論。ドット・フランク法を見直し金融規制緩和を進めるトランプ政権への反発も鮮明にした。フランスの世論調査は、次期大統領有力とみられた中道右派のフィヨン氏の支持が夫人の疑惑で後退し、1回目投票は極右のルペン氏、決選投票は中道左派寄りのマクロン氏が最高位という調査結果。ヨーロッパ市場は揃って下落し、ユーロも売られた。
週明けのNYダウは19ドル安と反落したが2万ドル台は維持。NASDAQは4営業日ぶりに小反落し、S&P500も小幅安。ドラギ発言に加え原油先物価格の軟調(終値53ドル台)、金先物価格を3営業日続伸させたイランをめぐる地政学的リスクの浮上も投資家心理を冷やす。1月の労働市場情勢指数(LMCI)は+1.3で12月の+0.6から伸びが拡大した。NY時間の為替レートは雇用統計の平均時給の伸び鈍化でFRBの早期利上げ観測が後退し、アメリカの長期金利が低下してドルが売られるというメカニズムで円高が急進し、朝方の為替レートはドル円が「地獄の1丁目1番1号」の111円台後半、ユーロ円が120円近辺。大阪夜間取引終値は18830円。CME先物清算値は18855円。
日経平均始値は132円安の18844円。高値は1時57分の18970円。安値は9時43分の18805円。終値は65円安の18910円。昨年11月29日以来のドル円111円台で、マイナーとはいえSQ週の火曜日の「鬼門」は18900円を割り込んで売り先行で開始。序盤で18800円割れ寸前まで下落。それでも押し目買いなのか11時前には反発して18900円にタッチする。為替のドル円は111円台後半のまま。様子見ムードの中、18900円を少し割り込んで85円安で前引け。TOPIXもマイナスで、日銀のETF買いが入る条件を満たした。もしこれで入らなければ2月になって2回目の「BOJの裏切り」になる。
後場は下げ幅を少しひろげて再開するが、ドル円が少しずつ円安方向に振れ、マイナス圏ながら高値を更新。1時台もその流れが続き、2時前にドル円が112円に接近すると日経平均もプラス圏へあと6円まで上昇する。薄商いなので日銀のETF買いが入ってよく効くパターンで、TOPIXはプラスに浮上した。2時に発表された12月の景気動向指数速報値は、一致指数は前月比+0.1ポイントの115.2。4ヵ月連続上昇で2014年3月以来2年9ヵ月ぶりの高水準だが、景気の基調判断は「改善を示している」で据え置き。雇用や製造業の指数は良いが小売業の指数が悪い。数ヵ月先の先行指数は+2.6ポイントの105.2。しかし2時台の日経平均は為替が円高方向へ反転するのに同調して徐々に水準を切り下げ、終盤は18900円台の維持もおぼつかなくなったが、かろうじて18900円台を確保して終えた。前日に業務提携の内容を発表したトヨタ<7203>とスズキ<7269>だが、ドル円が大引けまで一貫して111円台では、決算が市場予測に届かないトヨタ2.26%安、スズキ1.70%安は致し方なし。2月1日以来の日銀のETF買い入れがあり、金額は1億円増の704億円になっていた。