【今週の振り返り】最後は19600円台に乗せて135円上昇した週

2017年03月11日 20:18

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「寒の戻り」で4営業日続落した後は、「円安は全てを癒す」で続伸し終わりよし。日経ジャスダック平均は4週間無敗21連騰。新興市場は東証1部とは、また別の宇宙。

 6日の日経平均は続落。前週末3日のユーロ圏小売売上高は前月比-0.1%で、市場予測の+0.4%を裏切って3ヵ月連続のマイナス。12月の数値も下方修正された。ヨーロッパ市場は英独が下落、フランスが上昇。NYダウはマイナスの時間帯が長かったが終値は2.74ドルの小幅反発で、NASDAQもS&P500もプラスだった。

 最大の注目のFRB首脳の講演は、イエレン議長はシカゴで、「雇用指標とインフレが力強さを維持すれば3月の会合で利上げを決定する」と発言し、直後、為替のドル円は114円台後半まで円安進行。フィッシャー副議長もNYで、連銀総裁、FRB理事、議長の3月利上げに前向きな発言を「同僚の話すことは正しい」「強く支持する」とフォローした。4日からFOMCメンバーは口にチャックする「ブラックアウト(箝口令)」期間に入った。

 ISM非製造業景況感指数は57.6で1月から1.1ポイント上昇し2ヵ月ぶりのプラスで1年4ヵ月ぶりの高水準。原油先物価格は4日ぶりの反発。金先物価格は4日続落。アメリカの長期金利はイエレン発言で上昇した後に下落し、為替のドル円もNY時間に113円台まで円高に振れた後、114円近辺におさまる。ユーロ円は121円台前半。大阪夜間取引終値は19490円。CME先物清算値は19460円だった。トランプ大統領が「オバマ前大統領がトランプタワーで盗聴をした」とツイッターでいきなり言い出し、5日朝には約1円もドル安円高が進行する局面があった。6日朝方の為替レートはドル円が113円台後半で114円台には戻らず、ユーロ円が120円台後半。3月は決算のために、日本企業が海外で得た収益を日本円に換えて戻す「レパトリ」による円高という通奏低音が響くので、ドル高円安に振れにくい。

 日経平均始値は59円安の19409円。高値は9時8分の19411円。安値は9時20分の19340円。終値は90円安の19379円。3日に発表されたGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の昨年10~12月期(第4四半期)の運用実績は10兆4973億円の黒字だった。2四半期連続黒字で運用実績利回りは年率7.98%。赤字だとメディアも野党も「我々の大事な年金をどうしてくれる」と騒ぐが、黒字だと何も言わない。全資産額は144兆8038億円で、平成29年度当初予算案(一般会計)97.5兆円の約1.5倍。12月末の運用ポートフォリオは国内株式23.76%、国内債券33.26%、外国株式23.16%、外国債券13.37%。5日から北京で中国の全人代(全国人民代表大会)が開幕。2017年のGDP成長率目標を、2016年の6.7%より低い6.5%前後に設定した。3年連続の低下見通しで、8%を超えていた高度経済成長の時代は、すでに終わっている。

 日経平均は59円安の19409円で始まり、15秒後に19400円割れ。TOPIXもマイナス。リスクはドル安を招いた大統領の「トランプタワーゲート発言」だけではなかった。朝7時頃にいったん114円台に戻っても、8時前に北朝鮮が日本海にミサイルを4発も発射して地政学的リスクが浮上し再び113円台。株価の「敵」は、突然どこから姿をあらわすかわからない。序盤の日経平均はいったん19400円台を回復後、大きく下げて安値更新が続き19340円まで下げる。東京時間の為替のドル円も円高方向に動いた。ヤケっぱちの独裁者に、何をするかわからない大統領、という危険なゲームを意識。値上がり率ランキングに「ミサイル発射→株価上昇」反応でおなじみの石川製作所<6208>が顔を出す。パブロフの犬。波乱の9時台は19300円台後半まで戻して終える。10時台、11時台は19400円にタッチしないが19350円も割り込まず、100円安前後のマイナス圏、ほぼ40円幅での小動きが続いた。

 日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した2月の輸入車販売台数は前年同月比+2.5%で11ヵ月連続のプラス。クリーンディーゼル車の割合が過去最高の21.2%まで伸びた。トップはメルセデス・ベンツで24ヵ月連続首位。2位はフォルクスワーゲン、3位はBMWで、ドイツ勢が表彰台独占。全人代開幕後初めての営業日を迎えた上海市場は序盤はマイナスでもプラスに転じ、東京市場の足を引っ張らない。そのまま前引けになり、98円安、TOPIXも-4.32で日銀のETF買いが入る条件を十分に満たした。

 為替のドル円は113円台後半で膠着し114円台に戻れない。後場の日経平均は19360円付近で再開し、前場に引き続き19360~19400円の40円幅の小動き。欧米がまだ日曜日の夜なので商いも盛り上がらない。1時台に19360円を割ったり、2時台にドル円が少しだけ円安に振れ日経平均が一時19400円台に乗せたりしたが、大引けは19300円台後半で90円安。日中値幅は71円で、後場に限れば54円という、薄商いで変化に乏しい1日だった。日銀のETF買いは条件を十分に満たしたはずなのに入っていなかった。日銀はまた、ダークサイドに堕ちた。黒田総裁は名前の通り、暗黒卿。

 北東アジアの軍事緊張に反応する石川製作所は5.08%高。水爆とかICBMとか、いつまで繰り返されるのか? 大西社長の辞任が報じられた三越伊勢丹HD<3099>は5.08%安。これは「お家騒動」か? 三越の「なせだ?」の事件は1982年で35年も前の話。当時の新入社員も、あと数年で厚生年金がもらえる年齢。3日に「SWITCH」を発売し出足好調の任天堂<7974>は2.24%高で売買代金トップ。初回出荷台数は世界200万台で、販売価格2万9800円を掛けると約600億円。売上高の通期予想4700億円と第3四半期の累計売上高3111億円の差額1589億円の37.7%を「SWITCH」のハードで稼ぐ計算で、一緒に買われるソフトの売上も加えれば見通し達成に無理はなさそうだ。

 日経平均終値は90.03円安の19379.14円、TOPIX終値は-3.15の1554.90。売買高は14億株で1月16日を下回り今年最低。売買代金は1兆7209億円で今年最低は回避。値上がり銘柄数は916、値下がり銘柄数は930でほぼ拮抗し、中・小型銘柄の健闘ぶりを物語る。プラスは10業種で、その上位は石油・石炭、鉄鋼、任天堂率いるその他製品、鉱業、食料品、情報・通信など。マイナスは23業種で、その下位は保険、電気・ガス、陸運、不動産、精密機器、小売など。上海総合指数は0.48%高だった。

 7日の日経平均は3営業日続落。フランスのPSA(プジョー・シトロエン)がGM傘下のドイツのオペルを22億ユーロで買収する話が本決まりになり、PSAのCEOが記者会見。ルノーを抜いてフォルクスワーゲンに次ぐヨーロッパ第2位、約17%のシェアになる。ヨーロッパ経済の一体化は止まらない。大統領選挙でルペン候補が主張するようにユーロをフランに逆戻りさせたら、フランスの経済は大混乱をきたすだろう。ナチス時代より前の1929年から88年間もオペルを所有してきたGMは、すでに織り込み済みなのか下落。ルペン氏の〃盟友〃トランプ大統領はアメリカへの入国を制限する出し直しの大統領令に署名。対象はイラクを除外し6ヵ国。NY市場では航空銘柄が軟調だった。

 週明けのヨーロッパ市場はギリシャの10~12月期GDP成長率の速報値からの下方修正(-1.2%)やドイツ銀行の増資計画を懸念して金融セクターが安く、軒並みマイナス。週明けのNYダウは北朝鮮のミサイル発射で地政学的リスクが意識されて始まり終日軟調で、終値は51ドル安と反落し21000ドル割れ。NASDAQもS&P500も下げた。原油先物価格は反落し53ドル台。金先物は小幅に5営業日続落。製造業受注は+1.2%で市場予測を上回った。アメリカの長期金利は一時2.5%を超えたが「いってこい」で元に戻り朝方の為替レートはドル円が113円台後半、ユーロ円が120円台半ば。大阪夜間取引終値は19380円。CME先物清算値は19370円。

 日経平均始値は41円安の19337円。高値は10時25分の19375円。安値は2時59分の19317円。終値は34円安の19344円。

 取引時間前のドル円は114円台に乗りそうで乗らない。「需給要因の情け無用の仕掛け売り急落が来るかもしれないSQ週の火曜日。しかも今月はメジャーSQ」の日経平均は41円安で始まる。TOPIXもマイナス。序盤で19321円まで下げて反転し、3歩上がって1歩下がるペースで徐々に高値追い。TOPIXはプラスに変わり、9時台のうちにドル円は114円台に乗せ、日経平均は-7円の19372円まで上昇した。10時台に入ってもゆったりペースの上昇は続くが、-4円まで迫りながらプラスになれず、10時台後半、ドル円が114円を割るとあっさり後退し19350円付近まで下げる。それでも大きく下落するようなことはなく、そのまま33円安で前引け。前場は54円しか動かなかった。TOPIXがプラスなので日銀のETF買いは望み薄。

 昼休みもドル円は113円台後半で114円にタッチできないまま。後場の日経平均はほぼ前引け水準で再開し、前場に引き続き19350円を軸に上下それぞれ10円幅の小動き。1時20分頃から下落するが安値を更新せずに反発する。2時台にも為替が動かない中で再びゆるやかな下落局面があり、金融セクター中心に今度は19320円付近まで下げ、大引け1分前に安値を更新するが、最後の土壇場で「寄与度御三家」中心に買いが入り27円ほど急伸するという、わざとらしい終わり方。TOPIXはわずかに反発して終了した。日中値幅は57円で昨年12月26日以来の小幅。東証マザーズ指数は12営業日ぶりに反落したが、日経ジャスダック平均は18営業日続伸で、ひとり未知の宇宙を進む。日銀のETF買いは入らなかった。前日入らずにこの日、入ってはおかしい。3月はまだ一度もなし。

 新商品戦略が功を奏し、2月の売上高が全店ベースで+17.3%、既存店ベースで+17.9%と好調だった日本マクドナルドHD<2702>は値動きなし。消費増税時を除くと27年ぶりの値上げが報じられたヤマトHD<9064>は前場の大幅高を後場に消して0.45%高。労働組合と息を合わせて人手不足が「もう限界だ」と訴える前週からのメディア工作が巧妙。アマゾンとも値上げ交渉する。通販関連銘柄は、ZOZOTOWNのスタートトゥディ<3092>は1.00%安、ヒラキ<3059>は1.72%安、ベルーナ<9997>は0.83%高、主力は佐川の千趣会<8165>は1.13%高。任天堂は人気を集め3営業日続伸。

 新規IPOが1件。靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」の運営、テナントへのプラットフォームサービスの提供を行うロコンド<3558>が東証マザーズに新規上場。配送はヤマトだが、公開価格1850円より41.9%高い2625円の初値がついた。新興市場が連騰を続けるおかげもあるが、「春のIPOまつり」3月最初の新規IPOは幸先のいいスタートを切ることができた。