【今週の振り返り】世界のイベントラッシュ横目に83円下落の週

2017年03月18日 20:02

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今週平均の日中値幅は93円で100円以下。イベントに反応薄で、特に後場は静か。これは「平常心」「大人の落ち着き」か?それとも、身動きがとれなかっただけか?

 日本時間で午前3時頃、アメリカ連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表された。事前予想通り12月以来の利上げで、政策金利のFF金利の誘導目標を0.25%引き上げ年率0.75~1.00%とした。記者会見に臨んだイエレンFRB議長はインフレ率(コアPCEデフレーター)の2%接近を利上げ判断の最大の理由に挙げたが「今年はあと2回」と年3回のペース維持を示唆し、「年4回」の見方を否定。2018年も年3回とした。もう一つの焦点「バランスシート調整」は「議論は始めている」という表現にとどめ、経済見通しも12月時点と変わりなし。「やっぱりハト派」という安心感でNYダウは急騰したが、「利上げは4回でなく3回」でポジションのハシゴを外された機関投資家がいたようで、米国債が買われてアメリカの長期金利は下落し、為替はドル安に動いた。

 NYダウ終値は112ドル高。NASDAQ、S&P500とも反発で終えた。WTIの原油先物終値は48ドル台、リスクオンで金先物は下落。15日なのでアメリカで経済指標の発表が多い。小売売上高は+0.1%で市場予測よりも上、消費者物価指数(CPI)は+0.1%で市場予測と一致、NY連銀製造業景況指数は-2.3ポイントでも市場予測より上、企業在庫は+0.3%で市場予測と一致、NAHB住宅市場指数は71で市場予測よりも上と、市場予測を下回る指標が一つもなかった。取引終了後発表のオラクルの決算は増収増益で、株価は時間外取引で上昇した。

 NY時間終盤にドル安が進行して朝方の為替レートはドル円が113円台前半、ユーロ円が121円台後半。大阪夜間取引終値は19370円。CME先物清算値は19365円。権利配当落ち分約130円を足すと19495~19500円。オランダが世界から注目されることはめったにないが、EUの危機にもつながりかねず有権者に「全世界が、オランダを見ている」意識が高まり、総選挙の投票率は81%。最初の出口調査は極右の自由党の獲得議席が伸び悩んで政権与党の自由民主党が第一党を堅持と報じられ、野党の最左派が躍進。ユーロの相場にはほとんど影響しなかった。

 日経平均始値は118円安の19458円。高値は0時56分の19618円。安値は9時2分の19454円。終値は12円高の19590円。前日大引け後の4時に日本政府観光局から発表された2月の訪日外国人客数推計値は前年同月比+7.6%の203万5800人。2月としては過去最高でも伸び率は1月の+24.0%から大幅に鈍化した。うるう年の昨年より日数が1日少ないこと、中国の春節休暇の始まりが1月にずれたことなどが原因。国・地域別もトップは中国から韓国に変わっていた。

 日経平均は3ケタのマイナスで19500円を割り込んで始まる。TOPIXも開始直後に2ケタ安。大きなイベント2つ通過にしてはスタート時点の下げが大きい。東京時間開始後にドル安円高がさらに進行しても「ポジション調整は終了」なのか日経平均はマイナス幅を圧縮し、9時台前半のうちに19500円台にタッチするが、後半には19400円台に押し戻される。しかし、10時の時報とともに大ジャンプ。日経平均は一気に19500円も19550円も飛び越え、15分ほどでプラスにもタッチ。香港が利上げしオランダの総選挙の公式の開票結果も出始めるが、それよりもトランプ大統領が「法人税率を15%にする」と発言したという情報に敏感に反応する。しかし為替は動かず、日経平均は小幅安圏に退いて10時台はプラスに戻らないまま推移。オランダのルッテ首相が勝利宣言。11時台は電池が切れたように下落してマイナス幅を拡大するが、少し上げて25円安で前引け。TOPIXは-2.1の小幅安で、日銀買いが入るかどうかは微妙なところ。

 FOMCの結果発表から約9時間後の正午すぎ、日銀金融政策決定会合の結果が発表された。大方の予想通りに金融政策現状維持。それでも上海市場の上昇を好感して後場は開始直後にプラスに浮上し19600円を超える。しかし1時台までは19600円をはさんで小動きするばかり。為替のドル円も午後は113円台前半で動きが鈍る。薄商いで上値追いのエネルギーが足りない。FOMC、オランダ総選挙、日銀会合と大きなイベントを一気に3件消化しても、次はトランプ政権の予算教書改め「予算方針」待ちに、週末のG20待ちで「待ってばかりの東京市場」なのか?

 待ちくたびれたように2時台の日経平均は前日終値付近に水準を下げ、終盤はたびたびマイナスにタッチする有様。それでも大引け間際にプラスになって12円高の小反発で終えた。この日、日銀のETF買い724億円は入っていた。もっとも、6日を振り返ると前引けは日経平均98円安、TOPIXは-4.32でも日銀買いが入らなかった。日銀はETF買いの判断基準を開示しないので、なぜ6日は不可で16日は可なのか、全くわからない。

 15日にトランプ大統領がデトロイトで演説し、自動車の燃費規制の見直しを表明。ドイツや日本のメーカー首脳に「アメリカ国内に工場をつくれ」と露骨に促した。燃費が売り物の日本車には向かい風でトヨタ<7203>は0.34%安。ホンダ<7267>は0.50%安。4月から社名も「SUBARU」になる富士重工<7270>は0.11%安。ゴーン氏も幹部だったルノーが25年以上にわたり排ガス試験で不正を行って報告書を入手したとフランスのAFP通信が報じ、ルノーは全面否定したが日産<7201>は1.73%安。日仏一蓮托生?