2時台前半は水準を少し上げてプラス圏で安定するが、後場のTOPIXはずっとマイナスのまま。終盤は日経平均もマイナスになるが、大引け直前にわざとらしくプラスに変わって終了。上値は非常に重たかったが、配当権利落ち分約130円を配当権利落ち当日の終値で埋めることができた。TOPIXは最後までマイナスのまま。日銀のETFの買い入れ724億円は入っていなかった。権利確定イベントというやや特殊な事情があり避けたのかもしれない。3月の営業日はあと2日。
前日、記者会見で2019年度をメドに火力発電事業の統合を発表した東京電力HD<9501>は4.25%高で売買高4位、売買代金8位。相手の中部電力<9502>は1.13%高。高浜原発3、4号機の再稼働差し止めが大阪高裁で却下され、夏までの原発再稼働と料金値下げを表明した関西電力<9503>は8.22%高で東証1部の値上がり率5位。関電は3月期の業績見通しを発表し、売上高7%減。当期純利益6%減だが2期連続の黒字見通しで、5期ぶりに期末配当25円復配。電力・ガスセクターは業種別騰落率で2位に入った。任天堂<7974>は0.13%の小幅高だが売買代金1位だった。
ウェスチングハウスの連邦破産法第11条申請を事前承認した東芝は1.01%高で売買高1位、売買代金6位。大引け後にウェスティングハウスが破産法申請を行った。連結対象から外れるが、東芝の最終損失見通しは1兆円を超える見通しで、債務超過は6200億円で東証2部落ちは決定的。レコード会社の日本コロンビア<6791>は、動画・音楽配信を手がける親会社のフェイス<4295>が8月1日付けの完全子会社化を発表。1949年(昭和24年)の東証再開時以来第1部上場銘柄だったが、7月27日をもって68年でピリオドを打つ。日本コロンビアは4.32%高、フェイスは4.31%安。3月は別れの季節。
新規IPOが1件。インターネットを利用したオークションの主催、運営など情報流通支援サービス事業を行うオークネット<3964>が東証1部に再上場。公開価格1100円より18.1%高い1300円の初値がついた。昨年9月に上場を延期していたが、それが吉と出た格好。日柄も悪くなかった。
日経平均終値は14.61円高の19217.48円、TOPIX終値は-2.76の1542.07。売買高は17億株、売買代金は2兆1595億円。TOPIXはマイナスなので値上がり銘柄数716より値下がり銘柄数1158のほうが多い。プラスは13業種で、上位は石油・石炭、電気・ガス、鉱業、海運、小売、サービスなど。マイナスは20業種で、下位は年2回、株主優待券をゲットしたら翌日売っておサラバの空運を筆頭に、その他金融、建設、保険、証券、パルプ・紙など。上海総合指数は0.35%安だった。
30日の日経平均は3日ぶりの反落。英国がEU離脱を通告しても「完全織り込み済み」でヨーロッパ市場は軒並み上昇。NYダウはマイナス圏から浮上できず42ドル安と反落。一方、NASDAQは4営業日続伸。S&P500も続伸。原油先物価格は49ドル台に上昇し3週ぶりの高値。金先物は続落した。仮契約住宅販売指数は+5.5%で市場予測を上回り、エネルギー省の週間石油在庫統計は全体が増加でもガソリン在庫が大幅に減り、原油先物価格を押し上げた。ボストン連銀のローゼングレン総裁が「今年の利上げは年4回が適当」とタカ派寄りの発言をし、金利を下げ、為替をドル安にした。スマホ発火事件に韓国の政界スキャンダルにも関与とろくなことがないサムスンは「GALAXY」新機種をお披露目。4月発売。アメリカの長期金利は低下し、朝方の為替レートはドル円が111円近辺、ユーロ円が119円台半ば。大阪夜間取引終値は19140円。CME先物清算値は19165円。
日経平均始値は66円安の19150円。高値は9時14分の19218円。安値は2時58分の19043円。終値は154円安の19063円。日経平均始値は19150.82円だが「66.66円安」で、キリスト教圏では縁起の悪い数字並び。TOPIXも安く始まる。9時14分にプラスにタッチするが、タッチしただけで再び19150円割れまで乱高下。10時すぎには19200円近くまで戻すが頭を抑えられる。日足一目均衡表の「雲」の上限19201円がレジスタンスラインになって、いつも青空の雲の向こう側に出られない。10時台後半には再び19150円近くまで下落する。為替のドル円が111円台半ばまで円安方向に振れても不安定さは前場ずっと続き、前引けは47円安、TOPIXは-4.27で、前日よりも日銀買いが入る可能性が高くなっていた。
正午に日本建設機械工業会から2月の建設機械出荷額が発表された。前年同月比+10.7%で、4ヵ月連続プラス。輸出は+14.4%で4ヵ月連続プラス。内需は+5.3%で3ヵ月連続プラス。昼休みの為替のドル円レートは111円台前半で円高方向に動き、後場の日経平均は下げ幅を拡大し安値を更新して再開。おおむね19140~19170円のレベルで動き、1時台には安値を何度も更新して、軟調。
為替は111円20銭台で横ばいだが、日経平均は2時前から急に先物主導の売り一方になる。アッという間に日経平均先物は19030円まで下げ、現物の底値は19043円。上海市場も軟調だったが、日銀買いが年6兆円枠の月割り5000億円を27日にオーバーし、29日は前場がマイナスでも入らなかったため「今月は枠がいっぱいで動けないのでは?」という憶測を呼んでいた。日足一目均衡表の「雲」の下限19013円にサポートされる格好で、終盤は19050円近辺で横ばいになっていたが、少しもみあって大引け直前に安値を更新した後、154円安で終えた。日銀のETF買い724億円は、この日は入らなかった。
東芝は10時から千葉市の幕張メッセで臨時株主総会を開催し、3時間を超える質疑応答の後、半導体事業の分社化が賛成多数で承認された。上場廃止回避へ「一縷の希望」を託して4.01%高。売買高、売買代金とも1位。綱川智社長は8月1日の東証2部落ちは覚悟しつつ、半導体分社化で2017年度中に債務超過を脱し上場廃止の事態は回避できる見通しを示した。投資家もそれを望んでいる。
新規IPOが2件。ビッグデータの解析・人工知能による情報提供サービスを行うユーザーローカル<3984>が東証マザーズに新規上場。大引けまでに初値がつかず、公開価格2940円の約2.3倍の6770円の買い気配で終了した。「ビッグデータ」「AI(人工知能)」という、いま一番ホットな技術テーマに関わっているだけに、この人気も納得できる。
大阪府吹田市が本社で、「スシロー」ブランドの回転寿司チェーンを展開するスシローグローバルHD<3563>が東証1部に事実上の再上場。公開価格3600円より4.7%安い3430円の初値がついた。公開価格も仮条件の下限だったが、半期で1500円分のお食事券進呈の株主優待をつけても「投資ファンドEXIT案件」への投資家の抵抗感には勝てず、「春のIPOまつり」3月で2つ目の黒星を喫した。高値は3575円、終値は3410円で、公開価格に及ばないまま上場初日を終えた。
日経平均終値は154.26円安の19063.22円、TOPIX終値は-14.48の1527.59。売買高は18億株、売買代金は2兆605億円で薄商い。値上がり銘柄数は338、値下がり銘柄数は1572。プラスは石油・石炭、非鉄金属、鉱業の3業種。マイナスは30業種で、下位は前日の反動の電気・ガス、パルプ・紙、陸運、その他製品、建設、水産・農林など。上海総合指数は0.96%安だった。
31日の日経平均は大幅続落。最後に世紀末的なカタストロフ(破滅的結末)が待っていた。ドイツの消費者物価指数(CPI)速報値は+0.2%で市場予測を下回り、前月比で減速したがドイツ、フランスの株価は続伸。英国はわずかに反落した。NYダウは原油高でリスクオンし69ドル高で反発。金融セクターが好調。NASDAQは5営業日続伸、S&P500は3日続伸。原油先物価格は3日続伸して50ドル台を回復。リスクオンしたので金先物は下落した。アメリカの10~12月期の実質国内総生産(GDP)確定値は+2.1%で速報値の+1.9%から上方修正された。設備投資は下方修正、個人消費は上方修正。新規失業保険申請件数は25.8万件で前週比0.3万件減少。クリーブランド連銀のメスター総裁は「年内に資産縮小の検討に入るべきだ」とFRBの「バランスシート調整」に言及。NY連銀のダドリー総裁は講演で「金融緩和のゆるやかな縮小が適切」と述べた。