27日の日経平均は3営業日ぶりの大幅反落。前週末24日のヨーロッパ市場はドイツはプラス、英仏はマイナス。PMI総合指数は、ドイツは57.0で前月比+0.9ポイントで市場予測より上、フランスは57.6で前月比+0.7ポイントで市場予測より上、ユーロ圏は56.7で前月比+0.7ポイントで市場予測より上。英国も含めヨーロッパに春が来た。
NYダウは59ドル安で7営業日続落。NASDAQはプラス、S&P500はマイナス。オバマケア代替法案は2日続いて下院で採決されず、小幅安で推移していたダウは終盤大きく落ち込んだが、トランプ大統領が採決をあきらめ出直すと表明すると最後は買い戻された。政権への不安がにわかに増大した。
原油先物価格は小幅上昇で48ドル台前半。金先物は反落。耐久財受注額は+1.7%で2ヵ月連続で増加し市場予測を上回った。製造業PMI速報値は53.4で前月比-0.8ポイントで市場予測を下回った。アメリカの長期金利は下落。NY時間の為替のドル円は一時110円台までドル安が進行したが、終了間際に急速なドル高があり111円台前半。一時119円台だったユーロ円も120円台前半まで戻した。大阪夜間取引終値は19110円。CME先物清算値は19095円。権利配当落ち分約130円を足すと19225~19240円。27日は早朝から為替の円高がどんどん進行し、取引開始前までにそのレートはドル円は110円台半ば、ユーロ円は119円台後半になった。
日経平均始値は191円安の19071円。高値は9時2分の19086円。安値は10時4分の18932円。終値は276円安の18985円。取引時間前に日銀から発表された2月の企業向けサービス価格指数は前月比+0.3%、前年同月比+0.8%の103.3。3月15、16日の日銀金融政策決定会合の「主な意見」では「現在の金融政策を継続すべきだ」が有力だった。海外の不確実要因への警戒と、物価安定目標の2%までまだ距離があることがその理由。「金融政策の転換が必要になるまでに相当な時間がかかる」という指摘もあった。
「円高は全てをさいなむ」で日経平均は191円安、TOPIXは2ケタ安で始まる。報道各社の安倍内閣の支持率調査の結果は上昇または横ばいで下落していなかったが、「減税も規制緩和も公共投資もできるのか?」というトランプ大統領の政権運営への不安、さらに桜が開花しても山沿いでは雪まで降る3月下旬の強い寒の戻りも個人消費を冷やす懸念がある。ブルガリアの総選挙はEU支持派、ドイツのザールラント州議会選挙はメルケル政権の連立与党が勝利。日経平均は序盤マイナス幅が何度も200円を超え、9時台後半、110円台前半までドル円の円高が進むとあっさり19000円を割り込み、マイナス幅が300円を突破する全面安。前週は底堅くV字回復したが、この日は為替の向かい風で買い上がれず10時台は18900円台半ばで膠着する。
10時30分発表の中国の1~2月の工業部門企業利益は+31.5%。原材料価格の上昇を転嫁でき大幅上昇。上海市場は小幅安で始まるがすぐプラスに転換。中国政府が支持とされる林鄭月娥氏が新行政長官に選出された香港市場は反落で始まる。10時台後半の日経平均は上昇し19000円に接近するが、大台を回復できないもどかしい展開。110円台前半の為替レートに変化なく18900円台後半のまま推移し、前引けは18970円。291円安でTOPIXは-21.08なので、日銀買いの条件は十二分に満たしたが、今月の枠はあと1回分ぐらいしかない。
為替レートに動きがないまま、後場の日経平均は日銀買い期待なのかマイナス幅を圧縮して再開し、直後19000円台に乗せる。しかしその後は19000円をはさんでの小動きで、大台に乗せきれない。2時に日本フードサービス協会が発表した2月の外食売上高は+1.8%で6ヵ月連続でプラス。ファストフードは+4.6%、ファミリーレストランは-1.4%。2月24日の「プレミアム・フライデー」の影響は居酒屋などに出ても限定的だったという。2時台になるとドル円は110円台前半で円高方向に動き、日経平均もわずかに水準が下がって19000円にタッチしなくなり、大台割れのままで大引け。終値では2月9日以来の19000円割れを喫する。TOPIXは高値圏で終了。外部要因が悪すぎて、さすがの新興市場も日経ジャスダック平均は反落し、東証マザーズ市場は安値引けだった。日銀のETF買い入れの724億円は入っていたが、これで3月は年間6兆円枠の月割り5000億円をオーバーした。3月の営業日はあと4日。
孫正義CEOはトランプ大統領とファーストネームで呼び合う仲のソフトバンクG<9984>は道連れ?なのか6営業日続落。任天堂<7974>は小幅続伸。「28日中にウェスチングハウスが連邦破産法11条の適用を申請か?」と報じられ、東芝<6502>は序盤はプラスだったが終値2.06%安。商いは活発で売買高も売買代金も1位。WHは韓国電力公社グループに支援要請するという。
新規IPOが1件。貸会議室、ホテル宴会場、研修施設などを運営するティーケーピー<3479>が東証マザーズに新規上場。公開価格6060円より74.2%高い10560円の初値がついて白星。3月IPOはまだ1敗だけ。
日経平均終値は276.94円安の18985.59円、TOPIX終値は-19.53の1524.39。売買高は17億株、売買代金は2兆311億円。値上がり銘柄数252、値下がり銘柄数1671の全面安。全33業種がマイナスで、下位は証券、保険、不動産、非鉄金属、海運、パルプ・紙など。上海総合指数は0.07%安だった。
28日の日経平均は大幅反発。ドイツのIFO企業景況感指数は112.3で市場予測を上回りドイツ経済は好調持続。しかしECBのラウテンシュレーガー専務理事が出口戦略に言及し「備える必要がある」と言ったためかヨーロッパ市場は揃って下落。口から出れば世間。「オバマケア代替法案取り下げ」のショックが尾を引いた株安が地球を周回し、週明けのNYダウは朝方200ドル近い大幅安だったが、午後にかけて戻して終値45ドル安。5年8ヵ月ぶりの8営業日続落だがトンネルの先に光は見えた。NASDAQはプラス。S&P500はマイナス。金融セクターは下落、ヘルスケアセクターは上昇した。
原油先物価格は反落し47ドル台。金先物は続伸した。ダラス連銀製造業活動指数は+1.9の18.6で9ヵ月連続上昇。2015年12月に発表されたダウ・ケミカルとデュポンの経営統合について、忘れた頃にEU委員会が条件付きで承認しダウ・ケミカルは1.49%高、デュポンは1.23%高。シカゴ連銀のエバンス総裁がスペインのマドリードで「アメリカ経済は不確実性が高い。年内の利上げ回数は2回か3回」とハト派的な発言。これも口から出れば世間。アメリカの長期金利が低下し朝方の為替レートはドル円110円台後半、ユーロ円120円台前半で前日ザラ場よりは円安。大阪夜間取引終値は19000円。CME先物清算値は18980円。配当権利落ち分約130円を足すと19110~19130円になる。
日経平均始値は173円高の19159円。高値は1時3分の19203円。安値は10時17分の19113円。終値は217円高の19202円。前日夕方、参議院本会議で平成29年度予算が可決・年度内成立した。歳出の一般会計額は前年度当初比+0.8%の97兆4547億円で、5年連続で増加し過去最高。
取引開始前にドル円が110円80銭台まで円安が進行したこともあり、3月期決算銘柄「権利付き最終売買日」の日経平均は19000円の大台も19100円も超え大幅反発でスタート。TOPIXも2ケタの反発。序盤はおおむね19100円台後半で安定し、全面高で前日のズルズル安がウソのよう。9時台後半、にわかに上昇し19200円にタッチ。しかし10時台、為替が円高方向に折り返すと日経平均も同調して徐々に下げて今度は安値更新。「円安は全てを癒し、円高は全てをさいなむ」「地獄の沙汰も為替レート次第」の呪縛は、権利確定イベントでも解けない。円高は110円台半ばで止まって反転し、日経平均も19100円台を維持して反発するが、19100円台半ば止まりで19200円には接近できない。それでも11時台に入ると為替レートは変化がないものの日経平均は徐々に上昇し19200円への2回目のタッチを果たし、前引けは19189円。新興市場も買われる。203円高でTOPIXは+18.62なので、日銀買いはありえない。
昼休み中のドル円は110円台後半で変化なく、後場の日経平均は前引け水準で再開。後場は何度も19200円にタッチして、1時を回ると高値を更新する。それでも19200円から3円高いだけ。この日は特別に機関投資家の「配当の再投資買い」という、配当金の受け取りまでのつなぎとして先物買いが入り、それが現物の株価を上昇させるというメカニズムが働き、その金額は一説には6000億円だというから決して小さくない。しかし株価が動かないのは、逆方向に綱を引く売り勢力もまた小さくはなかったということ。日経平均は19200円のすぐ下、つかず離れずの状態で終盤まで経過するが、大引け直前に再び19200円を上回ってそのまま終了。200円オーバーの高値圏での大引けとなった。