WEC、AUDIが去った今季、Toyotaは何処まで行けるか? 初戦は?

2017年04月12日 07:41

Toyota WEC Round 1

WEC初戦「シルバーストーン」戦でToyota TS050 HYBRID 8号車は、中嶋一貴選手とアンソニー・デビッドソン選手、セバスチャン・ブエミ選手という3年目を迎えたトリオがドライブする

 TOYOTA GAZOO Racingは、4月14日からの週末、2017年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)の開幕戦となるシルバーストーン6時間レースへ、2017年仕様のTS050 HYBRIDと新たなドライバー布陣で臨む。

 今シーズンのWECも昨年と同じ全9戦で行なわれる。4月14日からの第1戦へ向けて、2017年仕様のTS050 HYBRIDには、ハイブリッドシステムを含むパワートレーンとメカ、空力面に全面改良が施された。

 今シーズンは使用可能な空力諸元が2種類に制限されることとなった。開幕戦のシルバーストーンにトヨタは、高ダウンフォース仕様のTS050 HYBRIDを持ち込む予定。トヨタはシルバーストーンで、これまでに5度の表彰台を獲得している。

 シルバーストーンサーキットは1周5.901kmで、WECシリーズが開催されるサーキット中で最も長い歴史を持つコースのひとつだ。開設は1948年。当時は非常に高速なコーナーが続く、最高速度よりもダウンフォースが重要なコースであった。

 TOYOTA GAZOO Racingはこの冬のオフシーズンの間、先週末のモンツァでの2日間のプロローグ(WEC合同テスト)を含めて約3万5000kmを走破してきた。チームはLMP1-Hクラスのライバルとの一騎打ちとなるシルバーストーンへ向けて万全の準備を整えた。

 2017年仕様TS050 HYBRID 7号車のドライバーは、昨年の富士6時間レースで勝利を挙げ、最後までタイトル争いを繰り広げた小林可夢偉選手、マイク・コンウェイ選手に、3年連続FIA世界ツーリングカーシリーズでチャンピオンに輝いた、ホセ・マリア・ロペス選手を加えた3名。ロペス選手は、今大会がトヨタ車でのWECデビューとなる。

 もう1台のTS050 HYBRID 8号車は中嶋一貴選手とアンソニー・デビッドソン選手、セバスチャン・ブエミ選手という3年目を迎えたトリオ。デビッドソン選手とブエミ選手は2013年からのコンビであり、2014年にドライバーズチャンピオンに輝いている。

 シルバーストーンの地元イギリス出身のドライバーであるデビッドソン選手とコンウェイ選手は、これまでにも何度もシルバーストーンで好成績を上げたことによって、両名は英国レーシングドライバーズクラブのメンバーで最高位のリチャード・ロイド・トロフィーを獲得している。

 週末のイベントスケジュールでは、14日(金)に、各々1時間30分の公式練習走行セッションが2回、15日(土)には午前中の1時間の最終練習走行の後、予選が行われる。現地時間16日(日)の正午に、6時間にわたる決勝レースのスタートが切られる。

 佐藤俊男チーム代表によると、「いつも新たなレースシーズンの始まりには期待が高まります。大いなる希望と共に第1戦シルバーストーン6時間の舞台に向かいたいと思っています。冬のオフシーズンの間、TS050 HYBRIDの全面改良のためにハードワークを続けてきたチームのスタッフや関係者の皆様に心から感謝を述べたいと思います。大変厳しい日々だったと思いますが、結果としてTS050 HYBRIDをとてもいい感触に仕上げることが出来ました。しかし、本当の戦いはこれからであり、好結果をお知らせ出来るように全力を尽くしたいと思います」と述べている。

 AUDIがWECから去った今年、4月14日からの開幕戦、シルバーストーンのレースは如何。(編集担当:吉田恒)