2016年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦である「英・シルバーストーン6時間レース」で2位表彰台に立ったトヨタTS050 HYBRID 6号車のドライバー。マイク・コンウェイ(Mike Conway イギリス)選手/ステファン・サラザン(Stéphane Sarrazin フランス)選手/小林可夢偉(Kamui Kobayashi 日本)選手
4月14日以降に発生し、その後熊本県を中心に相次いだ地震の影響が大きい。トヨタ自動車でも、「熊本県を震源とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。トヨタ自動車は、このたびの地震の影響による部品の供給状況等から、4月18日(月)~4月23日(土)の間、トヨタ自動車九州やダイハツ工業などの国内における完成車組み立てラインの稼働を、段階的に停止することといたしましたので、お知らせいたします。稼働再開については、今後、部品の供給状況等を見ながら判断してまいります。被災地の一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます」とのプレスリリースを17日、日曜日午後にもかかわらず発表した。
ホンダも、「熊本地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。ホンダは、この度の地震の影響により、熊本製作所(熊本県菊池郡大津町)の生産を4月22日まで休止いたします。その後の生産予定につきましては、工場の修復および部品供給の状況を見ながら決定してまいります。お客様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます」とした。
一方で、明るいニュースも伝わってきた。TOYOTA GAZOO Racingは2016年FIA世界耐久選手権(WEC)開幕戦である「英・シルバーストーン6時間レース」で2位表彰台を確保したという。
3名のドライバーである小林可夢偉(日)とステファン・サラザン(仏)、マイク・コンウェイ(英)のTS050 HYBRID 6号車は3位でゴールしたのち、上位車両の失格により2位となり、トヨタにとって2012年のWEC参戦開始以来のシルバーストーンでの連続表彰台記録を更新したと、伝えてきた。
コンウェイはWECで自身3度目となる表彰台フィニッシュを果たし、イギリス人レーシングドライバーズクラブメンバーの最高位ドライバーに送られるリチャード・ロイド・トロフィーを獲得した。
小林可夢偉に、今回はLMP1カーでのデビュー戦だった。可夢偉にとってトヨタ車で参加した世界選手権として、2009年のF1アブダビGP以来となるレースである、緒戦で素晴らしいパフォーマンスを見せ、表彰台獲得の一翼を担ったことになる。
中嶋一貴、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミの5号車も力強い走りを見せていたが、不運なタイヤのパンクにより車両後部にダメージを負い、16位に終わった。
決勝戦は、降雪に見舞われた前日とは一転、好天に恵まれ、TS050 HYBRIDはレース中、全車の最速ラップからわずか0.354秒遅れとその速さを実証し、希望を繋ぐレースデビューを果たした。TOYOTA GAZOO Racingは、次戦以降に備えて性能向上を目指し、新しい2.4リッターターボエンジンと8MJのハイブリッドシステムから、最大のパフォーマンスを引き出すために必要なセッティングの解析を進めて行く予定だという。
トヨタは、LMP1-ハイブリッドクラスのマニュファクチャラーで、唯一2台が完走を果たした。この結果、全9戦で戦われるシリーズの開幕戦を終えた時点で、マニュファクチャラーズ選手権では首位につけている。
次戦は5月7日(土)にベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催されるスパ6時間レース。TOYOTA GAZOO Racingにとっては、チームの本拠地であるドイツのケルンから120kmほどと近い、「ホームレース」ともいえる一戦に臨む。
小林可夢偉選手は、「良いシーズンのスタートが切れました。特に私にとっては最初のレースだったので良かったと思います。昨年と比べて進歩していますが、まだ多くのポテンシャルが秘められているはずです。更なる改良を続け、TS050 HYBRIDからもっとパフォーマンスを引き出せば、ライバルと良い戦いが出来ると思います。TS050 HYBRIDでどれだけの戦いが出来るかとても楽しみです」とレース後に語っている。