三菱電機が、監視カメラシステムの新製品「MELOOKμ+」(メルックミュープラス)を発表。既設アナログCCTVシステムの配線を活用し、高画質・高機能なデジタル方式へ、低コストでリプレースができるデジタルCCTVシステムで、5月28日より発売されるとのこと。
安心・安全への社会的な関心の高まりに伴い、CCTVシステムに対するニーズは高機能化・多機能化しており、アナログ方式からデジタル方式への移行が進んでいる。一方で、アナログシステムをデジタル方式へリプレースする場合、季節の同軸ケーブルを撤去し、LANケーブルを配線する必要があり、また、離れた場所にカメラを設置する際にはHUB等のネットワーク機器の追加が必要となり、導入コストが課題となっていた。
今回発表された新製品は、この課題を解決するもの。リプレース時に電源工事や配線工事が不要で、導入コストを削減、アナログシステムをデジタル方式へ低コストでリプレースできるという。また、カメラとレコーダーを接続するだけのシンプルなシステム構成で容易に設置ができ、導入へのハードルが一段と低くなっている。さらに、デジタル信号を増幅し感度を上げることで、被写体の残像やブレを抑制した映像に補正するデジタル増感や、増感時に発生するノイズをデジタル信号処理で除去し、鮮明な映像に補正するデジタルノイズリダクションなどにより、暗い場所や逆光の出入口でも鮮明な映像で監視することができるという。
日本防犯設備協会のデータによると、国内の防犯設備推定市場は2007年をピークに減少に転じている。しかし監視カメラ市場に限ってみれば、2011年見込みで356億円と前年比100.8%、2014年には370億円と2010年比で104.8%になると富士経済が予測するなど、緩やかではあるが市場拡大が見込まれている。システムの技術向上が進み、犯罪捜査などでもその有益性が実証されている監視カメラであるが、プライバシーと防犯との二律背反をどう克服していくかが今後も大きな課題となるであろう。設置場所や監視体制でこの二律背反の妥協点を見出すのではなく、監視カメラシステムの性能としてこの課題を解決する技術を開発することが、長期的な市場拡大のカギを握るのではないだろうか。