3月20日、安倍首相はフランスのオランド大統領と会談を行い自由貿易を引き続き推進することで一致した。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉が進められるなか、日本とフランス、日本とEUのパートナーシップが強化されつつある。4月23日にはフランス大統領選の第1回投票が実施される。昨年12月に現職のオランド大統領が2期目の出馬を断念し、現時点では無所属のマクロン氏と、EU離脱を政策に掲げている国民戦線のルペン氏が高い支持率を得ている。EU離脱や移民問題などが対立の主軸となっている今選挙。EUのみならず日本にとっても、世界第6位の経済大国であるフランスの重要性は極めて高く、その動向が注目される。
帝国データバンクでは、2017年4月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(約147万社収録)と信用調査報告書ファイル「CCR」(約170万社収録)、その他公開情報を基に、現地企業への出資、現地での関係会社・関連会社の設立、駐在所・事務所の設置などを通じて、フランスに進出していることが判明した日本企業を業種別、都道府県別、規模別に集計・分析を行った。
それによると、フランスに進出している日本企業は、2017年4月時点で702 社判明した。業種別に見ると、最も多かったのは「製造業」の308社(構成比 43.9%)で、約4割を占めた。以下、「卸売業」の163社(同23.2%)、「サービス業」の104社(同14.8%)となり、上位3業種で全体の約8割を占めた。
業種細分類別に見ると、最も多かったのは持ち株会社を含む「投資業」の38 社(同5.4%)。以下、世界的なファッションショーが開催されることなどを背景に、アパレル関連の「婦人・子供服卸」が17社(同2.4%)、「婦人・子供服小売」が13社(同1.9%)と続いた。また、フランスは自動車販売・生産台数でそれぞれ欧州3位の自動車大国であり、日産とルノーの資本提携や、トヨタとプジョー・シトロエン・グループで企業間協力が行われているため「自動車操縦装置製造」(11社、同1.6%)や、「自動車部分品製造」(9社、同1.3%)など、自動車関連も上位となった。
フランス進出企業の本社所在地を都道府県別に見ると、最も多かったのは「東京都」の363社(構成比51.7%)となり、進出企業の約半数が東京都に本社を置く企業だった。以下、「大阪府」(78社、同11.1%)、「愛知県」(47社、同6.7%)、「神奈川県」(40社、同5.7%)と続き、総じて大都市圏を有する都府県に進出企業が集中している。
年商規模別に見ると、最も多かったのは「100~1000 億円未満」の 212 社(構成比 30.2%)。「1000億円以上」(160 社、同 22.8%)と合わせると、進出企業の約半数が年商 100 億円以上となった。(編集担当:慶尾六郎)