日本政府観光局によると2016年11月の訪日外国人は187万5000人で、過去最高であった15年の164万8000人を13.8%上回り、11月としては最高記録を更新した。また16年度の訪日外国人数は2403万人となり、年間で見ても過去最高を記録した。
11月までの累計では中国が594万5500人、韓国が459万6000人、台湾が388万9000人と、香港が164万9000人と、例年通り東アジア各国からの訪問者が多く、次いでアメリカが113万7700人という結果だ。一方伸び率で見ると中国と韓国が共に28%と、この2カ国での人気が伸びているのに対して、インドネシアが前年比30.9%、フィリピンが30.0%、マレーシアが29.7%と、東南アジアからの旅行客が増加していることも特徴的だ。
同局では東アジアでの航空路線の新規就航や増便、クルーズ船の寄港増加と、旅行各社の継続的な訪日旅行プロモーションが実を結んだと分析している。韓国や中国、香港は引き続き航空各社が航空路線網を強化しているが、昨年は東南アジアに対する施策も積極的に行われた。
インドネシアでは旅行会社や航空会社が秋の魅力を伝えるプロモーションを行ない、格安な航空券を販売したことによって旅行者が増加。マレーシアでは全日空が15年10月に羽田-クアラルンプール路線を新規就航。旅行博への出展がマレーシアの観光客を増加させた要因だと考えられる。フィリピンでも旅行博への出展や、フォトコンテストの開催、航空各社のプロモーションが功を奏した。
欧米諸国はアジアと比較すると伸び率は低いものの、アメリカは20%、フランスは19%、イタリアが16.9%と堅調に伸びている。
一方、伸び率が0.1%と唯一伸び悩んでいるのはロシアからの旅行者で、経済制裁の影響で外国旅行の需要が低下したことと、高価な航空運賃が影響している。
東京オリンピックの影響で今後も訪日外国人は増加することが予想される。観光立国を目指した政府、旅行・航空各社の施策に期待したい。(編集担当:久保田雄城)