日本弁護士連合会は政府・与党が今国会での成立を目指す「テロ等準備罪」創設法案について「共謀罪であり、名前を変えても、その危険性は変わりません」と反対を呼びかけている。
理由の筆頭は「676の適用対象犯罪を277に減らしたと政府は説明するが、組織犯罪やテロ犯罪と無縁の犯罪が依然として対象になっている」とし、危険性では「楽譜のコピー(著作権法違反)やマンション建設反対の座り込み(組織的威力業務妨害罪)などを計画すると犯罪とされかねない」としている。
また、犯罪かどうかの判断を捜査機関が行うため「正当な活動をしている市民団体でも、性質が一変したと認められるときには『組織的犯罪集団』とされかねない」危険も指摘。
さらに「準備行為を犯罪成立条件にして歯止めをかけたと政府はしているが、預金引き出しなどの日常行為でも準備行為をされるため、歯止めにならない」と警告。
そして、テロ等準備罪の操作では通信傍受などの拡大が予想されるため、人権に影響を及ぼしかねない『監視社会になる危険』についても警鐘を鳴らし、日弁連は法案に反対する、と訴えている。(編集担当:森高龍二)