多世代交流も可能な複合居住型マンション

2012年03月05日 11:00

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子育て世帯向けの部屋では"家族のつながり""健やかに育てる""知を育む"をテーマにした各種設備があり、積水ハウスの「キッズでざいん」がここでも活かされている。

 「子育て支援住宅」と「サービス付き高齢者向け住宅」。どちらも増加傾向にあり、住まい手の状況や事情に対応した快適な暮らしを実現させるための設備や環境が整った住宅だが、この双方を同じ物件内に収めた賃貸マンションが登場した。

 この珍しい複合居住物件は東京の北区にある多世代交流型マンション『マストライフ古河庭園』。公園の多さや大規模商店街に近いなど、生活環境に適した立地の賃貸住宅を開発したのは、住宅メーカー大手の積水ハウスと積和不動産。このマンションは、子育て世帯、高齢者世帯にそれぞれ必要な設備やサービスが提供され、それぞれ世代の違う住宅スタイルが併設されたことにより、他にはない交流の場を持つことも可能だ。

 子育て支援住宅の特長は、積水ハウスが長年蓄積してきたノウハウである「キッズでざいん」がベースとなった多くの”家族に優しい設備”が導入されており、また、キッズルームや、誕生日会などのパーティに利用できる多目的スペースなどの共有サービスも充実している。そして、実際の子育て中の親たちの生の声を元に決められた80項目の基準を定めたミキハウス子育て総研の「子育てにやさしい住まいと環境」認定を受けており、その評価は高いレベルの子育て支援住宅であることを裏付けている。

 一方、サービス付き高齢者向け住宅の特長は、各部屋に設置された「緊急呼び出しボタン」での緊急時の対応や、人感センサーによる管理人とセコムの連携体制の安否確認など、見守りサービスが充実しており、また、ホームヘルパーが提携介護事業者や近隣の医療施設の紹介を行う生活相談サービスがある。さらに、ラウンジでの食事サービス(有料)を利用して、居住者同士や友人達と寛ぐ時間を作ることも可能だ。他にも各部屋には、車椅子でも利用しやすいように設置された少し高い位置のコンセントや逆に低い位置の電源スイッチ、膝の負担を軽減する騒音防止の床、引き戸の玄関ドアや、入ってすぐの場所に置かれた折りたたみ式のサポートベンチなど、至る所に配慮された設備があり、安心を提供している。

 二つの住宅の共通サービスとしては、多くのセキュリティサービス、コンシェルジュサービスなどがあるが、この住宅の一番の特長である異なる世代の居住スペースが併設されていることによる、多世代間の交流実現は大いに注目を集めている。具体的に計画されているイベントとして、屋上庭園で育てたサツマイモを収穫し、それを使用したケーキ・お菓子教室を開催し多世代の交流を促進するというものもある。

 このような画期的な試みの住環境を発信源として、地元とのコミュニティを形成していくことが多くできれば、少子高齢化に向けた新しい形のまちづくりを実現できる可能性も高く、そういう意味で「マストライフ古河庭園」の今後の活動に注目していきたい。