次世代フラッシュメモリ技術で、ロームとジェニュージョンが連携強化

2012年03月05日 11:00

 次世代フラッシュメモリの開発・販売を行っているGENUSION(ジェニュージョン)とロームグループが、ジェニュージョンの高速・高信頼の次世代フラッシュメモリ技術「B4-Flash」の開発分野におけるライセンス契約を新たに締結し、業務連携を強化したと発表した。これにより、ロームは従来の生産受託だけでなく、製品への組み込みや自社製品としての開発・製造をすることが可能となり、より付加価値の高い製品が提供されることとなる。

 B4-Flashメモリは、ジェニュージョンの独自技術を用いた不揮発性メモリ技術。従来のNOR 型フラッシュメモリと比べて低コスト、高速書込み・消去が可能、書換え後に高温下での長期間データ保存が可能、大容量化が容易、といった特長を数多く有している。

 ロームは今回の連携強化により、カーナビゲーションやスマートフォン向けシステムソリューションの強化となるだけでなく、電源ICやドライバーなどアナログ製品やSoCなどのロジック製品に組み込むことが可能となる。また、ロームグループのラピスセミコンダクタでも、ロジックLSIやメモリLSIのラインアップに加えてB4-Flashメモリを同社の汎用メモリ製品として開発・製造することが可能となる。

 世界各国の半導体メーカーによる研究開発競争がもっとも白熱している分野とも言える次世代メモリ技術。米国サンフランシスコで開催された国際固体素子回路会議(ISSCC)2012でも、パナソニックが高速・大容量化に向けた多層構造のクロスポイント型ReRAMを開発したことを発表している。また、サムスンもDRAMを超える記憶容量を実現したPRAMを発表するなど、その大容量化・高速化・低コスト化競争が熾烈を極めている。DRAM大手のエルピーダが会社更生法適用申請を行うなど、激動の年となる予感のするメモリ市場である。半導体市場全体をけん引するスマートフォンやタブレット端末関連の製品・技術が、その動向を左右することも想像に難くない。そんな中で、既に製品化・量産化が進んでいるB4-Flashは、どれだけのシェアを獲得出来るであろうか。それが、ロームグループによる高付加価値化された製品の動向に委ねられた形と言えるであろう。