岩手、宮城、福島の東北3県でも特に甚大な被害を受けた沿岸部と原発事故による警戒区域・計画的避難区域に本社があった5004社を対象に帝国データバンクが震災から1年を目前に現地聞き取り調査を行った結果、3507社は事業を再開していたが、1497社(全体の29.9%)は休廃業や実態が判明しないなど依然として実質営業不能状態にあることが分かった。
県別では福島県が特に深刻な状況であることが浮き彫りになった。帝国データバンクによると、同県では1205社のうち、事業を再開していたのは31.3%(377社)にとどまり、58.5%(705社)が休廃業に追い込まれていた。また10.2%(123社)は震災前の本社所在地に建物がなかったり、会社関係者と連絡がとれない、取引先からも消息が確認できないなど「実態が判明していない」状態になり、休廃業と実態判明しないところをあわせると68.7%にのぼっていた。
帝国データバンクでは「原発警戒区域・中心部の大熊町、富岡町、双葉町では事業再開の比率が2割を下回り、浪江町、楢原町とともに企業活動正常化とは程遠い現状が見て取れる」としている。(編集担当:福角忠夫)