東京商工リサーチによると、4月の「チャイナリスク」関連倒産は8件(前年同月比14.2%増)、負債総額は49億1,900万円(同224.2%増)だった。件数は5カ月ぶり、負債総額は2カ月ぶりに前年同月を上回った。
ただ、1-4月累計は、件数が18件(前年同期比58.1%減)、負債総額は123億4,800万円(同47.0%減)とそろってほぼ半減し、チャイナリスク関連倒産は小康状態が続いている。倒産に集計されない事業停止や破産準備中などの「実質破綻」は、4月は2件だった(前年同月はゼロ)。
4月のチャイナリスク関連倒産は、件数・負債ともに前年同月を上回った。4月27日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請した工作機械メーカーのホンマ・マシナリー(TSR企業コード:570187621、大阪府、負債37億3,900万円)は、2008年秋のリーマン・ショックの影響で海外向け販売が落ち込んだところに、中国企業からの債権回収トラブルが発生。2013年に中国国際経済貿易仲裁委員会へ仲裁を申し立てる事態に発展し、2014年には中国企業に金銭支払いを命じる仲裁判断がなされたが履行されず、資金繰りに行き詰まった。
また、都内のWEB制作会社は、中国の現地制作拠点でのトラブルが生じ業務を遂行できず、4月5日に東京地裁から破産開始決定を受けた。
4月は日本と商慣習が異なる中国企業からの債権回収や、中国国内の業務トラブルが致命傷になったケースが目立ち、契約条項の一層の精査など日系企業は自衛が求められるとしている。(編集担当:慶尾六郎)