リクルート(リクルートHD)<6098>グループのリクルートジョブズのまとめによると、三大都市圏のアルバイト・パートの平均時給が1,002円と、1,000円を超えたことが判明した。前月が999円であり、節目の1,000円を突破することとなった。尚、三大都市圏の平均時給が1,000円を超えたのは、2016年11月、12月、2017年2月に続き4度目である。
また前年同月より25円増加の増減率+2.6%となり、調査以来過去最高の伸びを記録した。
三大都市圏のエリア別では、首都圏・東海・関西の全てのエリアで前年同月比プラスとなっている。また首都圏、東海では前月比プラス。関西は前月の962円から961円となり、1円の減少とはなっているが、ほぼ横ばいと言える。
首都圏では既に調査の全職種において大分類では平均時給が1,000円を超えており、全体の平均時給は1,044円。関西は営業系、専門職系のみが平均時給1,000円を超えており、全体の平均時給が961円。東海も関西同様に営業系、専門職が平均時給1,000円を超えており、全体の平均時給が944円となっている。
時給が低いと言われるフード系においても、全体平均時給では首都圏1,013円、関西929円、東海919円となっており、既にフード系においても時給900円以上は、三大都市圏では当たり前の状況となっている。
各業種で人手不足が深刻化する中、企業は時給を上げアルバイト・パートの確保に走っている。今回の調査で三大都市圏の平均時給が1,000円を超えたことはその象徴と言える。しかしながら時給を上げても人手不足解消は一向に進んでおらず、今後もアルバイト・パートの時給は高止まりが予想される。
時給の高止まりを受け、外食チェーン店では商品の単価アップを図る動きも出始めている。しかしながら消費者の財布の紐は依然として固いままであり、安易な値上げは顧客離れに直結するリスクをはらんでいる。
人手不足解消の決め手がない中、人材確保のための時給アップと、顧客繋ぎ止めのための価格維持という二正面作戦を迫られる企業にとっては、当面非常に厳しい状況が続くこととなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)