行政が歪められた発言「理解できかねる」高市氏

2017年05月29日 07:00

 高市早苗総務大臣は26日の記者会見で「公平な行政が歪められている」と学校法人加計(かけ)学園(岡山市)への獣医学部新設を巡り、文科行政の事務方トップだった前川喜平・前文部科学事務次官が記者会見で語ったことへの受け止めを記者団に聞かれ「行政のトップにおられた方です。国家公務員は政治的にも中立で、公平・公正に行政を執行する責務を担っているので『行政がゆがめられた』と自らおっしゃるとしたら、私には理解できかねる」と答えた。

 高市大臣は「行政が歪められているという発言であったとしたら、私には理解できない発言であり、あってはならないことだし、ないと考えている」と答えた。

 また高市大臣は「仮にそのような恐れがあるのであれば、官僚として、トップとして、しっかり意見の食い違っている他省と話し合いをされるべきだったと思う」と述べた。「総務省でも、ほかの関係府省と意見が食い違う、内閣官房や内閣府と意見が食い違うことはあるが、次官や担当局長から報告を受け、私自身が直接各大臣にお会いして、総務省として正しいと考えている、こうすべきだと考えていることについて説明申し上げ、理解をいただいている、もしくは調整させていただいている」とした。

 しかし、文科省内で作成されたという文書が本物であるなら「平成30年4月開学を大前提に、逆算して最短のスケジュールを作成し、共有いただきたい。これは『官邸の最高レベルが言っていること』(むしろもっと激しいことを言っている)」などという内容からしても、その最高レベル、かつ人事権を有する相手に事務方トップが言えるのか、「話し合いをされるべき」と言われてもハードルは相当高い。大臣と言えども、総理ないし官房長官の強い意向が示されていたとすれば、敷居は高いと思われるだけに、民間人になった前川氏に証人喚問に応じてもらうことが、行政が歪められたのかどうかを調べる機会になるといえよう。(編集担当:森高龍二)