カタログ燃費と実用燃費の乖離はなくなるか、「マツダCX3」WLTCモード認可

2017年06月10日 09:34

WLTC

マツダが公開した今夏発売予定の「CX-3 SKYACTIV-G 2.0」のWLTCモード燃費値

 2011年以降、現在まで、自動車のカタログ燃費はJC08モード燃費という測定値で表す。JC08モードは、実際の走行に近い「加速・減速・信号待ちなど一定時間の停止」などが細かくモニターで指示され、その走行パターンで走らせ燃費を測定する。

 そして、これまでのJC08モード燃費試験に変わる新燃費測定規格「WLTC/Worldwide-harmonized Light vehicles Test Cycle(世界統一試験サイクル)」が、2018年10月から発売されるクルマに適用される。ユーザーの混乱を避けるために2022年まで現在のJC08モード燃費と併記されるが、初の世界共通燃費規格となる予定だ。この規格の導入で日本独自のJC08モード計測車は、かなり燃費が落ちると予想する声が多い。

 そして、そのWLTCモード燃費を表記する第1号となるクルマが登場する。従来モデルにはクリーンディーゼル車だけをラインアップしていたマツダのコンパクトSUVである「CX-3」で、新たに2リッターガソリンエンジン搭載車が今夏発売となり、WLTCモード燃費の認可を取得した。

 WLTCモードは、3つの走行モード「市街地モード(WLTC-L)」「郊外モード(WLTC-M)」「高速道路モード(WLTC-H)」で構成された国際的な試験方法。従来のJC08モードに比べ、冷機状態での走行時間割合の増加、アイドリング時間比率の減少、運転者以外の乗員や積載物の重量考慮などにより、実際の使用実態を即した内容となっている。

 マツダが公開した燃費を見るとCX-3(2リッターガソリン車)の場合、JC08モード燃費は17.0km/リッターだが、WLTCモード燃費は16.0km/リッターで、市街地、郊外、高速道路のそれぞれのモード燃費は順に、12.2km/リッター、16.8km/リッター、18.0km/リッターとなっている。

 今夏以降、WLTCモードの認可を取得した車種から、同モードに基づく燃費「WLTCモード燃費」と、3つの走行モード毎の燃費値がカタログなどに表示される。ユーザーは、自身の走行環境にあわせて、実態に近いモード燃費を確認することが可能なる。カタログ燃費と実燃費の乖離はなくなるのか。(編集担当:吉田恒)