5月の景気DIは前月から横ばいの46.5

2017年06月10日 09:40

 帝国データバンクによると、2017年5月の景気DIは前月から横ばいの46.5 となった。東京五輪や震災復興などの公共工事増や旺盛な再開発需要に加えて、貸家などの新設住宅着工戸数の増加を受けた『建設』のほか、2014年3月以来 3年2カ月ぶりに50台を回復した『不動産』が改善したことで、建材などの関連業種の景況感も上向いた。

 株価の高値安定や好天、ガソリン価格の6週連続下落などが、5月の国内景気全体へプラスに働いたものの、光熱費・人件費上昇などのコスト負担が重く、人材確保に苦慮するコメントがみられた『サービス』などの景況感が悪化。国内景気は、東京五輪や復興需要などの建設関連が旺盛だったものの、人手不足による負担増もみられ、ここのところ続いていた景気回復が一服した。

 今後の国内景気は輸出に加え、企業収益の改善や人手不足対策により持ち直しが見込まれる設備投資がけん引し、回復が続くと予想される。個人消費は実質賃金の伸び悩みにより回復への力強さに欠ける状態が続いているが、今後は徐々に企業部門の改善が家計部門に波及することが期待される。加えて、物価の上昇とともに、6月に予定されている骨太の方針や成長戦略が景気の底上げにつながることが見込まれる。

 しかし、米国の政治情勢や仏議会・英総選挙の行方、地政学的リスクの高まりは円高要因となることから、海外に不安要素を抱えることになる。今後の国内景気は、海外リスクが懸念材料となるものの、輸出や設備投資がけん引役となり回復傾向が続くとみられるとしている。(編集担当:慶尾六郎)