テロ等準備罪 自民・公明ら強行採決し、成立

2017年06月15日 09:58

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自民党、公明党と維新が国民の懸念を払拭しないまま、テロ等準備罪(共謀罪)を15日、成立させた

 自民党、公明党と維新が国民の懸念を払拭しないまま、テロ等準備罪(共謀罪)を15日、成立させた。

 捜査側の判断で捜査対象が一般人に広がる可能性が残ったまま、法務委員会での審議を打ち切る異例の「中間報告」という手段を用い、採決に持ち込み、投票総数235票のうち、賛成165票、反対70票で強行に成立させた。

 民主主義の基本は少数意見をいかに反映させるか、国民の基本的人権(言論・表現の自由)に関わる懸念や不安には解消する手段や説明に時間をかけて取り組むことが重要だが、政府・与党はこの問題を解消することなく、強引に押し切った。

 今回の政府・与党の対応に、社会民主党は15日、「森友・加計両学園をめぐる重大疑惑に蓋をするように、衆参両院で強行採決を重ねた安倍政権の暴走は、憲政史上に拭い難い汚点を残した」と最大非難の声明を発表した。

 法の危険性に対して、解消されていない点では(1)実行行為を罰する刑法の原則を逸脱し刑罰の枠組みを一気に広げる『組織的犯罪集団』『準備行為』の定義が曖昧なままになっている。

 (2)このため、一般市民が捜査対象になる恐れがあり、萎縮効果をもたらす(3)計画段階の動きを把握するため、捜査当局による監視が拡大する懸念が拭えない(4)テロとは無関係と思われる犯罪も対象に多数含まれ、本当にテロ対策なのか疑わしい(5)公権力がプライバシーに踏み入り、内心の自由や言論・表現の自由を侵す恐れが大きい、などを指摘した。社民党は「懸念や疑問は参院審議を通じても何ら解消されないどころか深まるばかりだった」と指摘した。(編集担当:森高龍二)