餓死救えない背景に個人情報保護法への過敏反応

2012年02月28日 11:00

 小宮山洋子厚生労働大臣は生活保護受給申請がなかったために餓死したり、孤立死したり痛ましい事案が発生していることについて「個人情報保護法が作られた趣旨と、今、過敏に反応し過ぎて、必要な情報が行き来しない」ことも背景にあるとの認識を示し、生活保護を必要とする人の情報を行政側で把握するためにも、個人情報保護法上の問題点を提起して検討していく意向をさきの記者会見で示した。

 小宮山厚生労働大臣は「(さきの事案は)大変残念な痛ましいことで、もっとしっかりと情報が行政に届いて、あるいは行政で把握をして対応できればよかったと、どなたもが思うことだと思います」と語り、「ただ、情報が提供されにくいことの元に個人情報保護法があるということなので、そのあたりをどういうふうにしたらいいのか、政府全体として、しっかりと検討しなければいけないことかなと思います。私からも問題提起をしたい」とした。

 特に「ライフラインのガスなどが止まっているということが分かったとしても、プライバシーとの関係で、そのことを行政に届けるのかどうか。個人情報保護法上まずいのではないかということがいくつかあると聞いている」と述べ、生命にかかわる重要情報が行政に届くようなシステムを個人情報保護法との係わりの中でどう構築できるか検討していく必要を示した。(編集担当:福角忠夫)