道路貨物運送業者の2016年の倒産件数は176件で前年比17.0%の減少となった。2013 年から3年連続減少、2017年も前年同月を下回る数値で推移している。背景には、ネット通販の拡大によって宅配便取扱個数が増加し道路貨物運送業者の需要が増加したことなどがある。こうしたなか、帝国データバンクは、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)の中から、2016年(1~12月期)決算の年収入高が1億円以上の国内道路貨物運送業者を、総収入高およびその推移、損益動向、規模別、業歴別、従業員数別に集計・分析した。
2007 年~2016年の年収入高が比較可能な1万 6860社を対象に各年の年収入高合計をみると2016年は約20兆760億円。2007年比で6.0%の増加となった。リーマン・ショックの影響などで2009年から2年連続で減収となっていたが、2010年の約17兆6985億円を底に、2011年以降はネット通販の拡大による小口貨物個数の増加によって6年連続で増収となっている。
2016年の年収入高約20兆760億円は前年比 0.8%増(1618億円)の微増となった。このうち、年収入高が増収となったのは、5893社(構成比35.0%)、減収は5288社(同31.4%)、横ばいとなったのは5679社(同33.7%)となり、増収企業が最も多い結果となった。
2015年・2016年の当期純損益が比較可能な7665社をみると、2016年は 6902社が黒字で全体の9割を占め、前年比2.5ポイントの増加となった。
年商規模別に社数の分布をみると、「500億円以上」は35社(構成比0.2%)、「100億~500億円未満」は166社(同1.0%)、「50億~100億円未満」は233 社(同1.4%)、「10億~50億円未満」は2250 社(同13.3%)となった。年商の規模が小さくなるに従って社数も増え、84.1%が「1億~10億円未満」の1 万4176社で最も多い。年収入高合計を年商規模別にみると、10億円以上の企業は2684社(構成比15.9%)で、その年収入高合計は約15兆3959億円(総収入高のうち 76.7%)をあげている。このうち「500億円以上」の 35社だけで約5兆9988 億円(総収入高のうち 29.9%)を占め、総収入高に占める割合は最も高い。
業歴別に社数の分布をみると、「100年以上」は121社(構成比0.7%)、「50~100年未満」は6278社(同37.2%)、「30~50年未満」は6407社(同38.0%)、「10~30年未満」は 4054 社(同24.0%)となった。業歴 30 年以上の社数は全体の 75.9%を占めている。業績をみると、増収企業の割合は「30~50年未満」に属する2152社(36.5%)が最も高く、減収企業は「50~100年未満」に属する 2167 社(41.0%)が最も高い。
従業員数が判明した 1万6817社をみると、「1000人以上」は62社(構成比 0.4%)、「100~1000人未満」は1564社(同9.3%)、「10~100人未満」は1万 3623社(同81.0%)、「1~10人未満」は1568社(同9.3%)であった。従業員数が100人未満の社数は全体の 90.3%を占め、小規模事業者の割合が高いとしている。(編集担当:慶尾六郎)