質問主意書提出日と兼業届け出日が同じ日

2017年07月10日 06:02

 内閣官房副長官に就任する際、報酬のない名誉職等を兼職している場合には兼職届けを行うことが「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」で規定されているが、萩生田光一内閣官房副長官は学校法人加計学園が運営する千葉科学大学の名誉客員教授に就いていることを菅義偉官房長官に6月2日まで届け出ていなかった。

 6月2日は民進党の逢坂誠二衆院議員が「政治家であって国務大臣等の公職にある者として清廉さを保持し、政治と行政への国民の信頼を確保するとともに、国家公務員の政治的中立性を確保し、副大臣等の役割分担を明確化するため」に義務付けられている兼職の届け出が萩生田氏から行われていたか、政府の見解を示されたいと質問主意書を提出した日。

 政府は6月13日に出した逢坂議員への答弁書で「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範(平成十三年一月六日閣議決定)に基づき、萩生田内閣官房副長官から菅内閣官房長官に千葉科学大学客員教授の兼職の届出が行われていると承知している」と届け出た日を伏せ、萩生田氏が内閣官房副長官に就任したのに伴い、問題なく規範に則って処理されていたかのような答弁をしていた。

 また政府は、逢坂議員から、官房副長官が加計学園の運営する大学であり、特区に新設する獣医学部の学部長に就任予定の人物が教授を務める千葉科学大学から、名誉客員教授の役職を提供されていることは『国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範』でいう『政治と行政への国民の信頼を確保するとともに、国家公務員の政治的中立性を確保』することに反するのではないかと質され「菅義偉内閣官房長官が6月7日の衆院内閣委員会で『特区の指定、規制改革項目の追加、事業者の選定のプロセス、これも関係法令に基づいて適切に実施しており、不公正に意思決定が行われたということは一切ないというふうに考えている』と答弁したとおり、御指摘は当たらないと考えている」と逢坂議員の指摘を否定した。

10日の参議院文教科学委員会・内閣委員会連合審査会でも、自由党の森ゆう子議員らは特区問題で疑惑になっている加計学園との関連で、萩生田氏の名誉客員教授問題を取り上げる予定だ。(編集担当:森高龍二)