加計は本当に4条件クリアか、加計ありきで提起

2017年07月26日 08:10

前川喜平・前文部科学事務次官は25日の参院予算委員会(閉会中審査)に参考人出席し、学校法人加計学園の獣医学部新設を巡り、「加計学園ありき」で国家戦略特区が利用された疑惑について「いわゆる『加計疑惑』といわれるものは、やはり、『加計ありき』で、国家戦略特区という仕組みが曲がった形で使われたのではないか。様々な条件をつけることによって、結果的に結論ありきのところに持って行った、というところに問題がある。そこをきちんと解明することが大事であって『加計学園ありき』であったことは間違いない」と改めて、加計学園ありきで進められたと提起した。

 様々な条件とは、国家戦略特区での条件に「広域的に」「限定する」「平成30年4月開校」など、大学校舎建設へボーリング調査など、認可されなかった時のリスクも覚悟のうえで着手していなければ間に合わないうえ、広域的にとの限定で、自然に「加計学園」に帰結する結果になったことなどを指している。

 この日の予算委員会では民進党の桜井充議員も獣医学部開学予定の加計学園グループ・岡山理科大学のオープンキャンパスで教授のひとりが「来年4月には必ず開学できる。秋から正式に学生を募集する」と発言したことを取り上げ、設置の可否を審査する文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)で設置が認められる前からこうした発言をしているのは「加計ありき」だと指摘。

 桜井議員はさらに、「オープンキャンパスで配布した資料に『合格後、引き続き受験を続け一般入試でワンランク上の大学・国公立大学にチャレンジすることも可能』とうたっているとして、『加計学園は東大や北大よりも上』と以前に答えた山本幸三担当大臣の答弁とは逆のことを大学自身が発信していることになるとし、閣議決定された獣医学部新設4条件を満たしているとする政府の答弁はウソではないか、と指摘。本当に4条件をクリアしているのか、精査する必要が改めて提起された格好になった。(編集担当:森高龍二)