学校法人森友学園(大阪市)への国有地の8億円の値引き売却など不可解な部分が解明されないままだが、問題に関与していた安倍昭恵総理夫人付き秘書だった谷査恵子氏が中小企業庁の政府職員としてイタリア日本大使館1等書記官に就くことが民進党調査チームの16日の会合で取り上げられ、海外赴任は「森友隠し、疑惑隠しと言われても致し方がない」と政府の姿勢に強い疑問が投げられた。海外赴任は政府の説明責任を果たすとの言葉からは真逆と言える。
外務省担当者は民進党の人事決定プロセスに対する質問に「省内の内規に関わる問題で答えは差し控える」と逃げた。桜井充参院議員は「答えられないなら答えられない法律の根拠と法律に従って外務省で内規が定められているはずだから、それを示して欲しい。そうでなければ全て外務大臣の責任になるから聞いている。任命権者は外務大臣。こういうことを言っていると全てが外務大臣の責任になる」と回答を求めた。
また、今井雅人衆院議員は土地売却に関する音声データが新たに出てきたことに触れ「明らかにあれは(近畿財務局担当者)ご本人の声だろう。それに絡んでいたのは谷さんで、谷さんも一定の関わりをしていたのは間違いない。ファクス(物的証拠)があるのだから」と指摘。「こういう環境のなかで、海外に赴任させるのは本当に政府として妥当かどうかだ」と問題視した。(編集担当:森高龍二)