ペルー・銅鉱山プロジェクトの権益18.1%を三菱商事が取得

2012年02月22日 11:00

 三菱商事が、国際金融公社(IFC)が保有するペルー共和国ケジャベコ銅鉱山新規開発プロジェクト(以下「本プロジェクト」)のプロジェクト会社Anglo American Quellaveco S.A.(以下「AAQSA」)の株式18.1%を、IFCから取得致したと発表した。

 優良資源事業への投資の拡大と持続的に成長可能な資源ポートフォリオの拡充を重点分野と位置付けている三菱商事。本プロジェクトは、2010年末から2011年初にかけてIFCからの入札の招聘を受けたもの。資源量は銅分ベースで約10百万トン、山命は28年間であり、年間約22.5万トン(銅分)を生産する予定となっており、AAQSAにおける開発意思決定の時期や、地域コミュニティからのサポートおよび必要な許認可の取得状況を勘案し、2016年の生産開始を見込んでいる。生産が開始されると、ペルーに於いて三菱商事が10%保有するアンタミナ銅鉱山プロジェクトの権益と併せ、年間持分銅生産量は同年より約4万トン増える予定だという。

 電気をよく通し、熱も伝わりやすい。加工しやすくて耐食性にも優れた銅は、製造加工業が主産業の日本にとって欠くことのできない金属である。一方で、金・銀・銅などの天然鉱物資源が豊富なペルーの銅生産量は、チリ・米国に次いで世界第3位。その為、主要輸入国となっている日本は、住友金属鉱山や住友商事も銅鉱山を保有するペルー企業に投資を行っているなど、中国企業などとの権益獲得競争に凌ぎを削っている。さらに、BRICsの一角であるブラジルやチリとともに、南米の経済大国へと変貌を遂げる可能性を秘めているというペルー。日本貿易振興機構(ジェトロ)のアンケート調査によると、中年米地域において、競合が激化していると回答した現地日系企業の割合が群を抜いて高いなど、鉱物資源以外でも市場獲得競争が激化している。日系人も多く最大の友好国となりうると言われるペルーにおいて、日本企業の為にも安定した市場獲得が実現できるか。注目に値する市場ではないだろうか。