リスキーブランドは、同社が2008年から実施している生活意識調査MINDVOICE調査(約4,000サンプル/年)を用いて「カーシェアリング受容動向」を行った。
カーシェアリングとは、一般登録を行った会員間で特定の自動車を共同使用するサービスないしはシステムのこと。自動車を借りるという面ではレンタカーと近い存在であるが、一般にレンタカーよりもごく短時間の利用を想定しており、利用者にとってはレンタカーよりも便利で安価になるように設定されていることが多い。また、レンタカーは不特定多数が利用するシステムであるが、カーシェアリングはあらかじめ利用者として登録した会員に対してのみ自動車が貸し出される。車の保有コストを負担することなく使用のメリットを享受できる合理的なシステムとして注目されているものだ。
調査のデータから、普通免許保有者のカーシェアリングサービス利用状況を分析したところ、普通免許保有者全体の4.9%がカーシェアリングの利用者(この1年間にカーシェアリングのサービスを利用した人)であることが分かった。このデータによると、「レンタカー」の利用者は19.4%、「タクシー」の利用者は50.4%だから、カーシェアリングの普及はまだまだ小さいと言えるが、2017年度M調査によると、普通免許保有者のマツダ車の保有率が5.0%、普及し始めたばかりのサービスと考えると結構多いとも言えるだろう。
カーシェアリング利用者の年代構成をみると34歳以下が利用者全体の6割を占めている。また、他のカーサービスに比べて特に18-24歳の若年層に多いことが分かった。
カーシェアリングで特徴的なのは利用頻度の高さだ。カーシェアリング利用者の41.2%が月1回以上カーシェアリングを利用しており、同じ項目でのレンタカーの11.2%、タクシーの19.7%に比べて極めて大きな値となっている。
それぞれの利用者に情報感度を聞いたところ、カーシェアリング利用者の約半数が、「話題になる前にいち早く、1度は必ず体験するほうである」または「大抵のことは人より早く体験してみるほうである」と答えていることから、カーシェアリング利用者は情報感度が際立って高いことが読み取れるだろう。
しかし、全体でみると、現時点ではまだまだカーシェアリングへのハードルが大きいようだ。「(カーシェアリングの)サービスがどんなに普及しても、できればマイカーは持ちたい」とする『マイカー欲しい』派は普通免許保有者全体の42.6%。『マイカー欲しい』派は、11.6%を占める「(カーシェアリングの)サービスが普及すれば、マイカーは持ちたくない」とする『マイカー要らない』派の3.7倍。また、「マイカーの購入費用や維持費と天秤にかけて、その時点で合理的な方を選ぶだろう」とする『合理的判断』派は24.7%に過ぎない。(編集担当:久保田雄城)