帝国データバンクの調べによれば、レンタカーを主業とする企業は、2016年9月時点で256社あり、売上高合計は過去5年間で増加基調、15年度では前年度比3.4%増の9892億3900万円と1兆円に迫る勢いだ。増収・減収動向を見ると約6割(59.4%)にあたる152社で増収となった。
レンタカーやカーシェアリングへの需要が高まっている。帝国データバンクの調べによれば、レンタカーを主業とする企業は、2016年9月時点で256社あり、売上高合計は過去5年間で増加基調、15年度では前年度比3.4%増の9892億3900万円と1兆円に迫る勢いだ。増収・減収動向を見ると約6割(59.4%)にあたる152社で増収となった。このうち「トヨタレンタリース」、「オリックスレンタカー」、「ニッポンレンタカー」、「タイムズカーレンタル」、「日産レンタカー」、「バジェットレンタカー」の大手6ブランドが57.8%(148社)を占め、売上高構成比では大手6ブランドが90%を上回った。また、レンタカー事業を従業とする企業118社について、主業としては「ガソリンスタンド経営」の24社(20.3%)が最多。次いで「中古自動車小売業」(22社、18.6%)、「自動車(新車)小売業」(12 社、10.2%)となった。15年3月末までに登録されたレンタカーは前年度から11.8%増の累計約60万台となっている。
同様にカーシェアリング業界の好調も続いており、矢野経済研究所によれば、14年のカーシェアリング業界の売上高は154億円で、これは前年比45.3%増となっている。また、15年以降はカーシェアリング市場の影響力は「タイムズカープラス」、「オリックスカーシェア」、「カレコ・カーシェアリングクラブ」、「カリテコ」、「アースカー」の主要5社に集約されてきており、16年1~3月の集計によると主要5社の総車両台数は18115台、そのうちの14000台以上を首位の「タイムズカープラス」が占めているとのこと。「タイムズカープラス」ではコンビニエンスストアとの連携も図っており、さらに全国的な規模拡大が見込まれる。
矢野経済研究所によれば、カーシェアリング業界に関して、認知拡大が進みステーション数も急増していることから、20年には市場295億円規模に成長すると予測されている。若者の車離れからの需要や、インバウンドでの需要も後押しして、レンタカーおよびカーシェアリング業界の好調は今後も継続すると予想される。こうした動きが、車活用のさらなる利便性の高まりにつながることを期待する。(編集担当:久保田雄城)