AIスピーカー(スマートスピーカー)が日本でもいよいよ、本格発売される動きとなってきている。市場規模としては、ヒアラブル全体で世界市場、17年、180億ドル規模(見通し)となっているが、5年後の22年には、450億ドル規模に達すると予測している。
AQU先端テクノロジー総研は今年8月、AIスピーカー、ヒアラブル端末市場2022年に450億ドル規模に達する予測を発表。これによるとAmazonのEchoなどで知られる、AIスピーカー(スマートスピーカー)が日本でもいよいよ、本格発売される動きとなってきているようだ。海外でヒットしているAIスピーカーは日本市場ではどのような需要があるのか。これらはまだスタートしたばかりで黎明期にすぎないものの、loT、AIビジネス領域において、今後の世界市場、日本市場において大いに飛躍の可能性を秘めた市場として注目されている。
そんな中で昨今「ヒアラブル」という言葉が注目されはじめている。これは、Hear(聞く)とWearable(身に着ける)を掛け合わせた用語だが、ハンズフリーで音楽が聴ける、電話ができる、といった用途以外にナビゲーション、ノイズキャンセリング、音声フォーカス、同時通訳など、幅広い用途が広がっている。とくに、社会的課題を考えた場合、聴覚に障害を持つ人(補聴器のサポートが必要な人)は、全人口の11.3%である。このうち補聴器のサポートを受けている人は、13.5%に過ぎず、残りの86.5%は、補聴器のサポートを受けていない。
社会の高齢化とともに、難聴などに悩む人が多くなっており、補聴器のサポートを潜在的に有している人が多く、ヒアラブル端末(スマートイヤホン)は、こうした人々にも応えられる可能性が大である。AQU 先端テクノロジー総研の調査によると、難聴者の53%が「ヒアラブル端末が欲しい」と回答したとのこと。また補聴器ユーザーにおいてもスマホとの連携を求めていることが多く、ヒアラブル端末の社会的使命、需要は大きい事が予想される。
AIスピーカーは、2017年頃までアマゾンをリード役に、前年比3倍以上の拡大をしてきているが、19年以降は、30%内外の成長が続くものと考えられ、5年後の22年には、世界市場は1億5千万台を突破。日本市場も高成長が続き、同年、300万台を突破すると予測している。 ヒアラブルは広義として、補聴器、従来イヤホンを含むヘッドホン、そして、スマートイヤホン、その他産業用などに分類できる。市場規模としては、ヒアラブル全体で世界市場、17年、180億ドル規模(見通し)となっているが、5年後の22年には、450億ドル規模に達すると予測している。
現在、日本国内ではLINE〈3938〉、NTTドコモ〈9437〉などが参入しはじめているが、Google、Appleなどグローバル企業の動向によっては、スマートスピーカーとともに、スマートTV、ホームロボット、コネクテッドカー(車載端末)などにも、急速に音声AIアシスタントが広がってゆく可能性があり、今後の動向に大きな注目が集まっている。(編集担当:久保田雄城)