モバイルバッテリーの需要と供給

2017年10月21日 08:22

画・モハ_イルハ_ッテリーの需要と供給

スマホの普及とともに拡大するモバイルバッテリー市場。需要に供給が追いつかなくなる可能性があるが、今後もスマホとともに進化を続けるモバイルバッテリーへの期待も高い。

 スマホというテーマで物事を考えた場合、様々なキーワードがあることに気づく。たとえばメーカーやキャリア、通信速度や容量などが挙げられるが、スマホを動かすうえで欠かせないものといえばやはりバッテリーだろう。高性能化・大容量化の一途をたどるスマホにとって、電力を供給するバッテリーは文字通り生命線である。どんなに優秀な機能が搭載されていてもバッテリーがなくなってしまうと使いものにならないからだ。そんなバッテリー切れのために備えておきたいものがモバイルバッテリーである。

 スマホを持つ人にとって、やはり充電によるトラブルは気になるところである。スマホを持つ人のおよそ80%が充電に困ったことがある、という調査結果もあることから、必然的にモバイルバッテリーに対するニーズが生まれてきたといえるかもしれない。「歩きスマホ」に代表されるように、移動中でも常にスマホは休まず動いていることが多く、持ち運びできるモバイルバッテリーはスマホとセットで利用したいというニーズがあるのも当然といえば当然だろう。それだけに、モバイルバッテリーの種類についても実用的なものからデザイン重視のものまで現在では非常に多くの商品が存在している。

 このモバイルバッテリーという商品は、ここ数年の間に急成長した商品である。確かにスマホが普及する以前の「ガラケー」時代にはバッテリーを別途用意するというケースはほとんどなかった。それが突如として拡大した背景には、やはりスマホという商品の特異性が関係している。それだけにモバイルバッテリーの供給が今後不足するのではないかという意見もあるという。

 携帯型のバッテリーでは小型化と大容量化という相反する技術を両立する仕組みが欠かせない。当然ながらこうした技術は実用化するまでが難しい。加えて同様の仕組みが要求される電気自動車などに必要な資源やリソースを奪われてしまうといったケースもある。モバイルバッテリーの高性能化のためには乗り越えなければならないハードルがたくさんあり、ニーズがあるからといってすぐに供給することが難しい時がくるかもしれない。

 電池というものが半永久的に電力を供給できるような仕組みは民間ではまだ実用化には至っていない。スマホが今後も進化を続けていく可能性があることを考えると、モバイルバッテリーもまたその進化を止めることはないだろう。効率的に、そして高速に電気が供給される仕組みについては、まだこれからも試行錯誤が続くのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)