「朝鮮通信使」関連資料 世界記憶遺産に登録

2017年11月01日 05:51

 朝鮮王朝時代に日本に派遣された外交使節「朝鮮通信使」に関する資料が「世界の記憶」(世界記憶遺産)に新規登録することが認められた。韓国・聯合ニュースが31日、韓国文化財庁の話として伝えた。日本と韓国の民間団体が申請していた。

 聯合ニュースは「朝鮮通信使に関する記録は朝鮮通信使に関する外交文書や旅程の記録、文化記録など111件333点が対象」で「朝鮮通信使は壬辰倭乱(文禄・慶長の役)で断絶した朝鮮との交流を回復するため江戸幕府の要請を受け、1607年に派遣が始まり、1811年までに12回派遣された。両国が使節団を通じ、文化交流を続け平和な関係を築いたことが価値を認められた」と伝えている。

 聯合ニュースは「今回の登録を受け、朝鮮通信使の世界記憶遺産登録を推進した釜山文化財団が31日、釜山市と日本の朝鮮通信使縁地連絡協議会などと協議し、約20カ所に分かれて保管されている記録物を1カ所に集めて展示する記念館を建立する方策を構想していると明らかにした」とも報じている。

 日韓親善友好の歴史的資産の「朝鮮通信使」の関連資料を世界記憶遺産に登録しようと2012年から釜山文化財団とともに取り組んできたNPO法人朝鮮通信使縁地連絡協議会(長崎県対馬市)の松原一征理事長は会HPで「登録を活かし、ますます朝鮮通信使ゆかりの地間の結束を深め、平和友好の遺産である朝鮮通信使が国内的にも世界的にも定着していくよう邁進していく所存。私どもの活動にご支援、ご声援を頂いた関係者の皆様、全国の皆様方に深く感謝を申し上げます」とコメントを発表した。(編集担当:森高龍二)