何も答弁出来ないじゃないか、2015の4条件

2017年11月16日 06:16

 林芳正文部科学大臣が学校法人加計学園運営の岡山理科大学に獣医学部設置を認可したのを受け、15日、衆院文部科学委員会が開かれ、国家戦略特区諮問会議で獣医学部設置の4条件(2015年閣議決定)に合致しているかどうか、丁寧な議論が政府内で行われたとは言えない状況が浮き彫りになった。

 立憲民主党の逢坂誠二議員の質問に林文部科学大臣は「国家戦略特区諮問会議での獣医学部設置の認定があって、大学設置審への申請がなされたものと理解している」と述べ『特区認定が設置審での審査の前提になっている』ことを明確にした。

 この回答を受け、逢坂議員は国家戦略特区での獣医学部新設検討に際し、2015年に閣議決定した4条件(現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具現化、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らか、既存の大学・学部では対応困難など)について「誰が、いつ、どのような事実に基づき判断したのか」と質した。

 長坂康正内閣府大臣政務官は「4条件の関係で問題がないことは山本幸三前地方創生担当大臣が確認した。昨年11月9日の国家戦略諮問会議で決定した」と答弁。しかし、先の国会でも山本大臣は4条件をクリアしているとする客観的資料は何も出せず、終始、口頭で述べるのみだった。このため官邸関与や加計ありきの疑念を増幅し、政府への疑念を深めた経緯がある。

 長坂政務官が「山本幸三前地方創生担当大臣が確認した」と答弁したことや「現在の提案主体による既存獣医師養成でない構想が具現化」したのか、どうかを質したのに明確な答弁が出来ず、逢坂議員は「4条件の第1条件すら、明らかになっていないことが分かった。何も答弁出来ないじゃないか」と追及。質疑後、逢坂議員は「入口段階で破たんしている」と指摘した。

 また質問順を待っていた希望の党の今井雅人議員も、自らの質問冒頭に、逢坂議員と政府側答弁のやり取りに「(政府内の議論が)如何にいい加減だったのかがよく分かった」と怒りを隠せずにいた。(編集担当:森高龍二)