学校法人加計学園の運営する岡山理科大学に獣医学部設置を認める答申を林芳正文部科学大臣に行った大学設置・学校法人審議会が加計学園に対し留意事項として(1)学生定員の厳格管理(2)病原体を取り扱う実習での安全配慮での適切運用(3)実験動物の管理について正確な内容を示すこと(4)千葉科学大学薬学部生命薬科学科など既設の大学の定員未充足(定員割れ)の改善に取り組むこと(5)今治市から補助金を収納した場合、速やかに報告することなど8点にもわたって指摘があった。挙げた8点は以下の通り。
「獣医学部獣医学科」については「最も大規模の入学定員(140人)となるため、学生の教育研究活動に支障を来さないよう、定員の厳格な管理に努めるとともに、実習における学生の実技経験の質的・量的充実を図ること」を第1にあげた。
次いで「総合参加型臨床実習については、外来患畜数を確実に確保するとともに、病院で一度に実習する学生数を分散するなど時間割の組み方や1班当たりの学生数の工夫などにより、参加型としての実習効果を高められるように努めること」
第3に「人獣共通感染症学実習等の病原体を取り扱う実習については実習内容に見合ったバイオセーフティーレベルの実験室を使用するため、法令やガイドラインに基づき、学内規程等を整備し、安全に配慮した適切な運用に努めること」。
第4に「獣医画像診断学実習については、対象動物をどのように実習で活用するかをシラバスに反映すること」。
第5に「実験動物の管理について換気や区画の用意など安全性の確保は図られているが、管理方法の説明と図面との関係で整合を図り、正確な内容を示すこと」。
第6に「完成年度前に、定年規程に定める退職年齢を超える専任教員数の割合が比較的高いことから、定年規程の趣旨を踏まえた適切な運用に努めるとともに、教員組織編制の将来構想について着実に実施すること」。
第7に「既設校の今後の定員充足の在り方について検討し、定員未充足の改善に取り組むこと」とし、改善対象に同学園運営の倉敷芸術科学大学芸術学部デザイン芸術学科、千葉科学大学薬学部生命薬科学科、危機管理学部環境危機管理学科、航空技術危機管理学科をあげた。
第8に「認可後に補助金(愛媛県今治市から)が収納予定であることから、収納後、速やかにその旨を報告すること」としている。(編集担当:森高龍二)