8億円値引き根拠のゴミ 会検試算最大68%減

2017年11月23日 06:19

 国が学校法人森友学園に国有地を売却する際、用地内のゴミを理由に撤去費用などとして8億円の値引きをしていた問題で、会計検査院が「財務省、国土交通省が行った森友学園に対する国有地の売却等について、正確性、合規性、経済性等の観点から検査した結果」ゴミ量は国が1万9520トンとしたものについて、最大でも1万3927トン、最小では6196トンにとどまると22日、国会に報告した。つまり、ゴミ量は最大68%~最小31%減ることになる。この分、過大に値引きされたことになる。

 また地下埋設物の撤去処分費用の単価についても、トンあたり2万2500円の根拠を示す資料がなく、どのような条件下でこの価格が提示されたのかも確認することができなかったとし、国有財産の売却であるにもかかわらず、根拠を示す資料が残されていないなど、意図的な資料廃棄疑義まで生じさせている。

 値引き根拠や売却価格の妥当性、資料管理の在り方が改めて問われなければならない、ことを浮き彫りにした。

 会計検査院は報告の中で「深度3.8メートルについて廃棄物混合土を確認していることの妥当性を確認することができず、敷地面積4887平方メートルに対して一律の深度として用いたことについても十分な根拠が確認できない、深度9.9メートルを用いる根拠についても確認することができない」と指摘。

 また「大阪航空局は廃棄物混合土が確認されていない箇所についても地下埋設物が存在すると見込んでいることとなるとし、地下埋設物撤去・処分概算額の算定に用いた廃棄物混合土の深度については、十分な根拠が確認できないものになっている」とした。

 さらに「対象面積全体に乗じる平均混入率として、廃棄物混合土が確認された箇所に限定した混入率の平均値を用いていることについては、十分な根拠が確認できないものとなっている」とも指摘。

 さらに「地下埋設物の撤去処分費用の単価の詳細な内容についてもトンあたり2万2500円の根拠を示す資料がなく、確認することができなかった」。

 「処分量1万9520トンは(1)廃棄物混合土の深度を過去の調査等において試掘した最大深度の平均値に修正した場合は9344トン。(2)混入率を北側区画の全試掘箇所42か所の混入率の平均値に修正した場合は1万3120トン(3)処分量に含まれていた対策工事で掘削除去している土壌の量を控除した場合は1万9108トン。これらの(1)~(2)の算定要素が全て組み合わされた場合は6196トンと算出された」と報告した。(編集担当:森高龍二)