総理 目・耳・塞ぐ 加計・森友に触れず、回避

2017年11月18日 08:10

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安倍晋三総理は195回国会での「所信表明演説」を17日行った。世論に目も耳も塞いだ内容となった。国民の声に耳を傾け、疑問に丁寧に答えていく、としてきた言葉とほど遠い内容だ

安倍晋三総理は195回国会での「所信表明演説」を17日行った。世論に目も耳も塞いだ内容となった。国民の声に耳を傾け、疑問に丁寧に答えていく、としてきた言葉とほど遠い内容だ。

 安倍総理は加計学園疑惑や森友学園問題がまったく解消されず、疑惑や問題を引き摺ったまま、特別国会を迎えたにもかかわらず、その国会「所信表明」でも、自身にとって不都合な問題にはまったく触れず。加計学園の加計の言葉もなかった。

 加計疑惑や森友問題での新たな動きを受け、国会で審議するよう憲法に基づいて、臨時国会の召集を6月に求めた野党に対し、9月臨時国会を開いたかと思うと冒頭に解散。議論を回避した。結局、議論の場もなく、総選挙後も、特別国会は当初、8日間で政府・与党は進めようとしてきた。世論に押され、12月9日まで伸びたようなもの。

 さらに国会での与野党質問時間の配分にも、自民が野党時代に与党2、野党8を要求し、当時の民主党政権はこれを認めたにもかかわらず、自民が与党になり、安倍総裁の下で議席数に応じた時間配分をと議会制民主主義を理解されているのか疑う要求をしている。

 「安倍総理のどこに謙虚さがあるのか」。国民の怒りが聞こえてきそうだ。安倍総理は世論に目も耳も塞ぎ、自らを支持する経団連や改憲勢力団体、自らが考える日米同盟(血の同盟、片務性を解消した日米安全保障軍事同盟)と近い志向の米国勢力の声を反映する「安倍一強」政治に陥りかけていないか。求められているのは行政府の長としての「バランス感覚」だ。

 安倍総理が「こんな人たち」と批判しても、「こんな人たち」も、まさに、税金を納め、義務を果たし、国民として、人としての権利を保障されているのであり、行政府のトップは国民全体に公平な政治を実現しなければならない。

 なぜ、衆院文部科学委員会を15日に開き、そこで議論しなければならないのか。課題を抱えた「加計学園獣医学部設置」に関する国家戦略特区での不透明さを残したまま、所信表明の中に「加計学園」がなく、官邸の関与で行政が歪められたとする声に、政府として、そのようなことはなかったと客観的裏付けを持って取り組む姿勢を示せないのか。野党は総理が所信表明で触れなかった理由を代表質問や委員会で追及することになるだろう。

 安倍総理は「私たちは、なぜ政権を失ったのか、痛切に反省し、国民の皆様の声に、耳を傾けるところから、スタートしました」と所信表明最後尾に語った。今、その時の姿勢が強く求められている。(編集担当:森高龍二)