安倍晋三総理の国会での所信表明演説に対する野党の反応を拾う。立憲民主党の枝野幸男代表は、安倍総理が生産性革命、人づくり革命など革命を多用していることに「革命政党だということがよく分かった」と語る一方で、今後の国会論戦では「寛容で多様なリベラルな日本社会を守る、われわれこそが正当な保守政党だということをしっかりとアピールしたい」と皮肉った。加えて「党や意見は違っても、総理として仕事をする以上、エネルギッシュにやってもらわないと困る。覇気のない状況を心配している」とも。
民進党の大塚耕平代表は「総選挙が終わって政権を国民の皆さんから託されたのだから、ここは内容をしっかり詰めて、そして十分な時間をとってこれからの施政に対してどういうふうに当たるかということを述べるべきだった。代表質問では外交・内政の基本的な認識を聞きたい」とした。
日本共産党の志位和夫委員長は「この国会では、何よりも森友・加計疑惑など一連の国政私物化疑惑が大きなテーマだが、総理は疑惑について『丁寧に説明する』と言いながら、所信では一言もふれず、『も』の字も『か』の字もなかった」と提起。「安倍首相が北朝鮮情勢や少子高齢化を挙げて『国難』を突破すると述べたものの、どう突破するのかについて、まともな方策は一切語られなかった」と指摘した。
自由党の小沢一郎代表(事務所)はツイッターに「空疎な演説」としたうえで「加計学園、森友問題への言及もなく、もはや『丁寧な説明』『謙虚さ』の言葉すらない。はなから反省なんてしていない」と提起するとともに「野党の質問時間を削減することだけに血道をあげ、権力の私物化を進められる環境を整えている。建設的な政策論議を呼びかける総理こそ行政を破壊している」と言動不一致だとした。
社会民主党の又市征治幹事長は「総理は丁寧・謙虚に説明と言ってきたが、森友・加計問題に一言も触れなかった。沖縄の辺野古新基地建設問題にも触れなかった。演説では『与野党の枠を超えて政策論議を』とも言ったが、今国会で各党が論議する時間はほとんどない。言うこととやっていることが違う」と指摘した。(編集担当:森高龍二)