先月24日、メルカリは「大掃除と断捨離に関する意識調査」の集計結果を公表した。この調査は11月上旬に全国の20歳から69歳の男女1000人を対象にインターネット経由で実施されたものである。
今年4月に経済産業省が公表した「平成28年電子商取引に関する市場調査」によれば、過去1年間に不要となった製品の推定価値は7兆6千億であるとされ、リユース市場の発展によって、より多くの価値を生み出す可能性が示唆されている。
昨年の大掃除の際に「不要品として処分した」製品について質問したところ、1位は洋服で調査対象者の51.6%にのぼり、2位が靴で同44.2%、3位が本で同42.5%、4位がバッグで同37.7%、5位がCD・DVDで同34.4%であった。
上記の大掃除で処分された製品の価値をメルカリ上の取引での一人当たり個数と平均単価から計算し「1人当たりの機会損失額」を推計したところ、1位の洋服が3万2235円、2位の靴が9512円、3位の本が1万6503円、4位のバッグが5472円、5位のCD・DVD1万3626円であり、上位3位までの製品の推定額を合計すると約5.8万円に上り、大掃除の際に少なくとも1人当たり5.8万円以上の機会損失が発生していると推測できる。
今年の年末の大掃除で実施したい内容について尋ねたところ「部屋の汚れの清掃」が「とてもしたいと思う」と「どちらかといえばしたい」の合計で98%と最も多く、続いて「キッチンやトイレなどの水回りの掃除」が同97.1%、「不要品の片付け(断捨離)」93.5%と続き、多くの者がリユースに結びつく「不要品の片付け」を行いたいと思っている。
「不要品の片付け」をどのような手段で行っているか尋ねたところ「自分でゴミとして処分する」が88.9%と大多数を占め、「廃品回収に出す」が29.4%、「実店舗買い取りサービス」が20.0%と続く。大多数の者がリユース化の手続きをとらずに機会利益を逃している実態が明らかになった。
スマホによるリユース化「スマート断捨離」について質問したところ、「既にやっている」8.6%、「ぜひやってみたい」15.9%、「やってみたい」27.6%で52.1%と半数以上が「やっている・やってみたい」と答えている。「スマート断捨離」の魅力について尋ねたところ「自宅にいながら手続きできる」が37.0%とその利便性に魅力を感じているようだ。
多くの者がリユース市場を利用していながらも大多数の物は不要品として廃棄され相当額の機会利益を失っているようである。(編集担当:久保田雄城)